松坂に高校恩師・渡辺元智氏がエール 「野球界に恩返しするつもりで」
中日への入団が決まった松坂大輔投手(37)に、恩師である横浜高の前監督・渡辺元智氏(73)が23日、エールを贈った。
1998年の甲子園春夏連覇からちょうど20年。現役生活の晩年を迎えた教え子に届いた吉報に、渡辺氏は「ソフトバンク、中日に感謝しつつ、野球界全体に恩返しするつもりで、中日に骨を埋める形で最後やってもらいたい」と願った。
横浜高、西武、メジャーで数々の栄光をつかみ“平成の怪物”の異名を取った右腕。以前は年に一度は母校のグラウンドにあいさつに訪れ、ソフトバンク入り後も祝賀会などで渡辺氏に会った際は「マウンドに上がる時は声をかけます」と約束していたという。肘、肩を痛めて以降は苦闘が続くが、渡辺氏は「“松坂世代”と言われ、挫折なくほとんどやり遂げてきた中で、大きな挫折を味わった。それが大きな糧になってほしい」と新たな成長を期待する。
横浜高の歴代ナインには「栄光より挫折、成功より失敗、勝利より敗北から学ぶことがある」と説いてきた。それは球界で最も実績を残した教え子といえる松坂に対しても同じ。春夏5度の甲子園優勝を誇る名将は「野球だけじゃなく人間としての面でも、3年間のケガをプラスにしてもらいたい」と思いやりを込めた言葉で結んだ。