秀岳館の九鬼は父に追いつけず

試合後、7回から登板し無失点に抑えた2年生の田浦文丸(左)を抱きしめ激励する九鬼隆平=甲子園(撮影・開出牧)
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 「全国高校野球・準決勝、北海4-3秀岳館」(20日、甲子園球場)

 終盤の追い上げも及ばず、春に続き準決勝で敗れた秀岳館・九鬼隆平捕手(3年)は「親父を超えたいと思ってやってきたけど、今の自分があるのは親父のおかげです」と号泣した。

 父は池田で86年春のセンバツで優勝を果たし、社会人野球・パナソニックで名捕手として活躍した義典さん。父の姿に憧れて野球を始め、同じ捕手を志した。小さい頃から配球論や捕手としての技術を伝授され、ドラフト候補へと成長。だが「まだまだ全然及ばない」と九鬼は言う。

 現役を引退し、スタッフとしてボールを受ける姿は「キャッチング技術が全然、違った」と言う。パナソニック時代に義典さんと監督、選手の関係だった鍛治舎巧監督は「グラウンドの代理監督だった。やっちゃいけないこと、絶対にやらなきゃいけないことの状況判断がすごかった。都市対抗で優勝していないのに、3度のベストナインに輝きましたから」と明かす。

 そんな父と比べ「九鬼はまだ物足りない。お父さんの方が数段上。もっとできると思う」とゲキを飛ばしてきた。九鬼も「監督と一緒にやりたかった」と大阪・枚方ボーイズから指揮官と一緒に越境入学を果たした。「本当に苦しいこともあったけど、監督さんと一緒に野球をやれてよかった」と声を震わせた九鬼。お立ち台で隣にいた鍛治舎監督から「しっかりしろ!」と声をかけられたが、涙は止まらなかった。

 負けた悔しさ、父を超えられなかった悔しさ-。「もっと大舞台で活躍できるような選手になりたい。親父には『ここまでありがとう』と伝えたいです」と語った九鬼。偉大な父の背中を追い、また野球人生の新たな1ページが始まる。

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