阪神・大山 逆転V2ラン!九回2死土壇場で決めた M14、一気前進2減 藤川監督「ビックリするようなゲームに」

 「DeNA2-3阪神」(26日、横浜スタジアム)

 最後の最後にドラマが待っていた。阪神は九回2死一塁から大山悠輔内野手(30)の右越え8号2ランで試合をひっくり返し、劇的な逆転勝ちを収めた。両リーグ70勝一番乗りで貯金は今季最多の28。2003、05年に記録した球団1シーズン最多の87勝ペースとなった。巨人が敗れ、優勝マジックは2つ減って「14」。藤川阪神が一直線にゴールへと突き進んでいる。

 「横浜漢祭(おとこまつり)」と銘打たれた一戦で虎の精神的支柱が漢になった。あと1死でゲームセット。そんな絶体絶命の状況を大山が一振りで変えた。「越えてくれるとは思っていましたけど、入ってくれて良かった。うれしかったです」。ベンチでは全員がはしゃぎまくり。8号の逆転2ランで試合を決めた。

 2点ビハインドの九回だった。「最後にビックリするようなゲームになりましたね」と藤川監督が言うほど。佐藤輝の中犠飛で1点差に迫り、なお2死一塁での出番だった。その初球。入江の154キロ外角直球を流し打つ。白球は風にも乗って、右翼席へ吸い込まれた。

 普段は冷静だが、珍しくガッツポーズ。「ちょっと反省ですね。あれは試合が終わった時にするべきでした」と大山らしく、喜び過ぎたことに注意はしたが、それだけ感情があふれ出る一発だった。15日の巨人戦(東京ド)以来、8試合ぶりで右方向には今季初のアーチ。月間3発は今季最多となった。

 師匠の大きな背中に勇気をもらった弟子もいる。この日から自主トレをともにする小野寺が1軍昇格。九回の右翼の守備は「震えた」という。大事な終盤。1勝、1球の重みを目の当たりにした。あの場面で試合を決める、兄貴分の姿には「本当にしびれた。渋いよな」。振り返れば、オフの自主トレは過去一番のきつさだった。

 量よりも質を重視。「2人とも追い込みたいって気持ちがあった。本当に毎日、帰りの車で『はぁ疲れた』って言うぐらい」。この一打を放つまでの努力を近くで見てきた。だからこそ、驚きはない。ただただ奮い立たせてくれた。

 八回までは相手先発のケイに苦しめられ、投手の村上だけの1安打。完全に負けパターンの一戦を脅威の集中力でものにした。「チーム全体で粘った結果。最終回もみんながつないでくれた。そういう意味ではすごく良かった」と主砲。首位独走のチームを象徴するような逆転勝利だった。

 両リーグ最速で70勝にも到達。03、05年の球団最多87勝ペースで白星を挙げている。巨人が敗れて、優勝へのマジックは14。「まずは1試合1試合。今日勝てたので、また明日しっかりと頑張りたい」。27日は新人の早川が先発予定。また大山が漢になって、ルーキーにプロ初勝利をプレゼントする。

 ◆阪神、2年ぶりの両リーグ最速70勝 阪神はDeNAに鮮やかな逆転勝ちで今シーズン70勝に到達。1950年の2リーグ分立以後、23年以来、2年ぶり8回目となる。このうち03、08、21、23年が両リーグ最速での達成で、こちらは5回目。なお、8月中に両リーグ最速の70勝を達成するのは8月16日に到達した03年以来、22年ぶり2回目となる。

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