【谷佳知氏の眼】近本 じっくりと作り上げた印象をより強く受けるスイング

 「巨人6-5阪神」(15日、東京ドーム)

 阪神・近本光司外野手が初回、巨人・山崎から左前打を放ち、新人時から7年連続130安打、史上2人目となる巨人・長嶋茂雄以来の快挙を達成した。計3安打で打率・295とし首位打者争いもリード。デイリースポーツ評論家・谷佳知氏が「状態の良さ」を分析した。

  ◇  ◇

 阪神は投手陣が踏ん張れずに逆転負けを喫したが、大山、近本、森下らに当たりが出ており、しっかりと攻撃の形はつくれていた。2位巨人とのゲーム差は十分にあるし、一つ負けたくらいで何も慌てる必要はない。

 中でも3安打を放った近本は状態の良さが伝わってきた。

 初回、山崎の真っすぐを逆らわずに左前へはじき返し、四回2死二、三塁では外角低めのシュートを再び左前に運んだ。真っすぐにも変化球にも対応できて、コンスタントに安打を放つことができる打撃の安定感は、阪神打線の中でも際立っている。

 近本のスイングは誰もがマネできるものではない。

 構えた時にバットをグッと投手側に倒し、大きく右足を上げて打ちにいく打撃スタイルは独特だ。並の打者があのフォームで打とうとすれば、真っすぐに対して遅れがちになると思うが、指3本分くらい短く持つことでバット操作をしやすくし、見事にタイミングを合わせてくる。

 一流の打者はみんな試行錯誤しながらスイングを磨き上げていくものだが、近本の場合は自らの感性に従って少しずつ変化を加えながら、じっくりと作り上げてきた印象をより強く受ける。入団1年目から7年連続の130安打以上となり、それは長嶋茂雄さん以来と聞いたが、近本にはもっともっと記録を伸ばしていってもらいたい。

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