ボクシング元３階級世界王者の長谷川穂積氏が１６日放送のＴＯＫＹＯ　ＭＸのバラエティー番組「小峠英二のなんて美だ！」に出演。世界スーパーバンタム級４団体統一王者、井上尚弥の一言が引退を決めるきっかけの一つとなったことを明かした。

　アートを扱う同番組で、ボクシングを芸術的な側面から深掘り。井上のすごさについて、元日本バンタム級王者の斉藤裕太氏と語った。

　長谷川氏は、「僕が最後、世界チャンピオンになって、引退しようかどうか悩んでいるときにご飯を一緒に食べる機会があって」と井上との会食場面を回想した。

　「僕は試合前がすごい怖かったんですよ。怖くて、怖くて、眠れなくて、井上選手にも『やっぱり試合前は寝れないの？』って聞いたら、『僕も寝れないです』と言ったんで、『やっぱりそうか、彼でさえ怖いんや』と思った」

　しかし、その後の井上の一言に衝撃を受けたという。「いや、違います。もう楽しみで寝れないです、って」。その言葉を聞いて「もう今の僕がやれる時代じゃないな。こういう子たちが活躍していく時代なんだな」と感じ入り、引退を考えるひとつの引き金となったことを明かした。

　長谷川氏は、井上とスパーリングを行った際にも驚愕（きょうがく）。「僕よりちょっと背が低いくらいなんですけど、向き合ったときに頭がここら辺くらいの感覚なんです」と自身のみぞおちほどの高さに井上の頭があったことを証言。「あれは相当、足が強くないとできない。キープするだけでも疲れるんです。すごい足の筋肉だなと思いました」と井上の下半身の強さを回顧した。