【谷佳知氏の眼】阪神 敗れてもなお随所に感じた首位チームの「余裕」 小幡の成長「待つ」ことができる状況
「巨人6-5阪神」(21日、東京ドーム)
阪神は5点リードを守れずに逆転負け。貯金18での前半戦折り返しとなった。小幡の2打席連続本塁打、大山の5号2ランで主導権を握ったが、七回に伊藤将、ネルソンがつかまり一挙5失点。九回に伊原がサヨナラ適時打を浴びた。デイリースポーツ評論家の谷佳知氏は「敗れたが首位を快走するチームの余裕を随所に感じたゲームだった」と振り返った。
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阪神は5点リードを守り切れずに敗れたが、首位を快走するチームのいい意味での「余裕」を随所に感じたゲームとなった。
六回まで好投していた先発の伊藤将が七回に崩れた後、ベンチはネルソン、本来は先発の伊原とつないだ。
どうしても落とせない一戦であれば第1、2戦で2連投していた及川、湯浅、石井、岩崎の3連投を辞さないゲームプランで臨んだだろうが、及川、湯浅についてはベンチ入りから外していた。
勝ちパターンの4人をつぎ込んだ末の逆転負けならダメージも残るが、そうではない。結果的に、石井、岩崎の3連投も避けられた。目先の勝利に固執することなく戦えるというのは、大きな強みだ。前半戦をけん引してきた投手陣の層の厚さを改めて感じた。
打線に関して言えば、盤石と言っていい近本、中野、森下、佐藤輝、大山の5人に加えて、小幡がたくましさを増してきた。
内角高めの難しい球を、うまく腕を畳んで右翼席に運んだ第1打席の本塁打は技術的に文句なし。こういうポイントで捉えれば打球が飛ぶんだ、とつかんだものがあるのではないか。
1番から5番までが固定メンバーで安定した打力があれば、6番以降は、必要以上に気負うことなく打席に立てる。今の阪神は、小幡の成長を「待つ」ことができるチーム状況にある。後半戦の打撃を楽しみにしたい。
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