「巨人０－４阪神」（１９日、東京ドーム）

　試合後の阪神・坂本は大山と２人、肩を並べて帰路を歩いた。互いに笑みが浮かぶ。まだ先制２ランの余韻が残るグラウンドが、ダメ押し２ランに悲鳴と歓声が交差する。「めったにないことなので、みんなが盛り上がってくれる。うれしい」と笑わせながら、殊勲の２号２ランを少しだけ誇った。

　「この球場は１点でも多く取ることが大事。何とかしたいという思いだけだったので、よかったです」。０－０で迎えた延長十一回だ。佐藤輝の先制２ランだけでは終わらない。大山が四球を選んで出塁。小幡の左飛後、坂本に打席が回った。

　２ストライクから３球目、船迫のスライダーをすくい上げた。弧を描いた打球は左翼スタンド最前列に到達。２本塁打は１７、１９年に続いて自己最多タイ。「ホームランを打ったことがないので、手応えとか分からないけど」と笑わせながら、「追加点になってよかった」と勝利の結果を喜んだ。

　無失点リレーの投手陣にも感謝を忘れない。「点をやらなかったことで、最後に勝つチャンスがいっぱい残った。こういう試合を増やしていきたいです」と坂本。いまや絶対的なチームの要。攻守で欠かせぬ存在感が、勝利には欠かせなかった。