5連勝の阪神 巨人守護神に初失点&初黒星をつけたサヨナラ劇が意味するものは? 「ツイていただけの勝利ではない」と元監督解説

 「阪神3-2巨人」(3日、甲子園球場)

 阪神がサヨナラ勝ちの5連勝で2位とのゲーム差を今季最大の「5」とした。しかも巨人・マルティネスに今季初失点&初黒星をつけての3タテと、ファンからすれば胸のすくような勝ち方でもあった。

 デイリースポーツ評論家・藤田平氏がこの試合から見えたもの、この勝利が意味するところを深掘りした。

  ◇  ◇

 ゲームそのものを見れば、阪神の盤石の勝利、とまでは言いかねる。

 まず、先発した伊原は五回でマウンドを降りるまで9安打されたしその五回には1イニング2四球と、制球のいい伊原らしくない内容だった。

 ここは巨人の対策が透けて見える。初回からファーストストライクを反対方向に打っていく積極策に加え、伊原のボールがこれまでより甘くなったところで、ヒットを重ねられ、そこを警戒しすぎて四死球を与える、という悪い連鎖に陥った。

 当然、相手も研究してくる。そこを上回る工夫が今後の伊原には必要となってくる。

 ただ、ヒットや四死球がいくらあっても、バント失敗その他、これほどの拙攻が続けば、巨人の勝ち目はどんどん薄くなる。

 加えて、ここはどうしても勝たなくてはいけない試合でありながら、先発の横川を五回まで投げさせた。その間に、味方は拙攻続き。阪神は初回の2失点を五回までに取り返した。

 こうなれば巨人は慌て、阪神はどっしり構えて勝機を待てばいい。

 さらに巨人の野手がプレーできない状態となり立て続けにベンチに下がる。もはや『お祓い』にでも行きたくなるような状況だ。

 阪神にとっての、そうした幸運を最後、マルティネスから豊田が殊勲のサヨナラ犠飛を放つ形で、白星につなげていった。つなぎの投手の踏ん張りもよかったし、五回、豊田の好バックホームで走者を刺したことも含め、守りの堅さも目立った。ツイていただけの勝利ではないことは、書き添えておきたい。

 4日からは、好調のDeNAと対戦するが、大きなゲーム差は試合の中での余裕にもつながる。その意味においては、大きな意義も認められる勝利と言えよう。

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