阪神・佐藤輝“伝説”誕生の地で再び豪弾18号 成長の証し「一発で」仕留めた 高めボール球ガツン
「西武3-2阪神」(11日、ベルーナドーム)
ダメージが残る連敗だ。2点リードの九回。阪神がまさかの逆転サヨナラ負けを喫した。九回に佐藤輝明内野手(26)が18号ソロを放ち、誰もが勝利を確信した直後の悪夢だった。4番にとってはベルーナドーム(当時メットライフドーム)では、21年の1試合3本塁打以来のアーチ。伝説を刻んだ球場での快音を次戦につなげ、負の連鎖を止めてくれ!!
所沢にすさまじい快音が帰ってきた。あの伝説から1475日。佐藤輝が超満員の右翼席へ指を突き上げた。「球が速いんでね。一発で仕留めるつもりでいきましたけど」。白球は高々と舞い上がり、アーチストらしい弧を描いてスタンドイン。痛恨のサヨナラ負けとなったが、この瞬間は誰しもが勝利を確信していた。
1点リードの九回無死でウィンゲンターとの対戦。初球の153キロ直球を振り抜いた。見逃せば高めに外れたボール球。そんなことは関係ない。自慢のパワーで押し込んで、ホームランキング独走の18号ソロとなった。
ベルーナドームと言えば、語り継がれる偉業がある。21年5月28日。セ・リーグの新人では、58年の巨人・長嶋茂雄さん以来の1試合3本塁打。「もう覚えてないっす」と言っていたが、4年ぶりの一発で再び伝説が思い起こされた。
あの日も九回にギャレットの高め直球を右中間最上部へ運んでいる。「3本の中で一番感触が良かった」と確かな手応えを口にしていた。これまで高めの速球に凡退するイメージもあったが、今年は違う。剛速球が売りの投手を一振りで沈めるシーンを何度も見せている。1年目から格段に成長している証しだ。
六回には森下に45打点で並ばれたが、再び46打点で単独トップ浮上。ダントツの18本塁打との2冠は変わらない。交流戦は開幕から3カード連続でアーチを描いた。日本ハム戦で11球団制覇弾を放ったが、1シーズンで全球団から本塁打の可能性も出てきた。
2試合ぶりの一撃で月間6発。4月には月間8本で自己最多を更新していたが、6月は9試合で6本塁打と驚異的なペースで量産している。初球打ちも「まあまあ、たまたまっすね」と濁したが、打つべき球を一球で仕留められていることが好調の要因だろう。
チームは後味の悪いサヨナラ負けを喫した。6月は初の連敗で、6カードぶりの負け越し。2位・DeNAには2・5ゲーム差に詰められた。でも悲観するどころか、明るい言葉でバスに乗り込んだ。「また明日も頑張ります」。こういう時こそ、佐藤輝の一発を待ち望んでしまう。きっと、いや必ず嫌な流れを吹き飛ばしてくれる。
◆佐藤輝、1試合3発VTR 2021年5月28日、メットライフドーム(当時)での西武戦。「6番・右翼」で先発した佐藤輝は、二回に高橋のフォークをバックスクリーンに運び13試合ぶりとなる11号を放つと、ここから一気に加速。六回には高橋の直球を左中間にはじき返す12号。そして同点で迎えた九回2死一、三塁でギャレットが投じた154キロ高め直球を右中間最上部へ13号決勝3ラン。セ・リーグ新人の1試合3本塁打は58年の長嶋茂雄(巨人)以来、63年ぶりの快挙だった。
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