【糸井嘉男氏の眼】3安打2打点の阪神・佐藤輝 技術が詰まった初回の一打 「マジで三冠王、あるな…」と期待抱かせる
「阪神7-1ヤクルト」(3日、甲子園球場)
阪神がヤクルトに快勝で4連敗の後に連勝を飾った。巨人がDeNAに敗れたため同率首位となった。全打席が得点圏で巡った佐藤輝明内野手(26)が、初回の先制右前適時打を含む3安打2打点。入団1年目から右肩上がりの得点圏打率は・394まで上昇。自己最長タイの5試合連続打点で、シーズン換算は驚異の138打点ペースだ。デイリースポーツ評論家の糸井嘉男氏は「マジで三冠王、あるな…」と絶賛した。
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テル、いいですね。いま確実に、セ・リーグで一番怖い打者でしょう。3本の安打は一本一本に内容がありましたが、特筆するなら成長の証しを見せた初回の打席。奥川投手との勝敗を分けたのがフォークです。技術が詰まった一打でした。
1-2と追い込まれてから5球目、低めの決め球をしっかり見送りました。ボール1個分、ゾーンにきた6球目の同球をファウルにして、最後は高めの149キロをしっかりとミート。昨年までなら確実に空振りしていたボールを見極めました。
テルとはオフからたくさん「不調になった時にどうするか」を話しました。傾向としては低めと高めの見極めが悪くなる。要因には疲れや焦りがあって、そうなると難しい表現になりますが、体とボールの距離が浅くなる。距離を取って引っ張ってこられる形を作ろうと取り組んできました。
もう昨年とは別人です。今はしっかりと自分のことを理解して、オフに取り組んだことが実を結んでいる状態。これから多少、調子が落ちることもあるかもしれません。テルも「オフからやったことを貫く」と言っていたように、この形で1年間やり続けるという信念が大切だと感じます。
ただ、今の打ち方なら大崩れすることはない。どんな投手でも対応できる状態。5試合連続打点と結果が出ているように、これからどんどんと打率も上がってくるでしょう。少し気が早い、言い過ぎかもしれませんが「マジで三冠王、あるな…」。そんな期待を抱かせる4番になっています。
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