【藤田平氏の眼】ムチで“パチン” 阪神・佐藤輝の3発解説
「西武7-10阪神」(28日、メットライフドーム)
阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22)=近大=が、同点の九回2死一、三塁から決勝の13号3ラン。二回の先制弾、六回の追撃弾を含め、新人では1958年の巨人・長嶋茂雄以来、3人目となる1試合3本塁打。
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開幕時と変わっている点はムチで“パチン”というようなスイングになっているところだ。この日の佐藤輝は、空振りをしている時は大振りになっているのだが、放った3本塁打はいずれもコンパクトなスイングでのものだった。
ボクシングで例えればジャブのようなイメージ。こちらに迫って来るものを“コン”とたたくようなスイングで、相手投手が投じるボールの勢いを利用して打球を飛ばせている。バットに捉えることさえできれば、引っ張ろうが流そうが本塁打にできる。
また3本のうち、2本は2ストライクに追い込まれてから打ったもの。まるで長嶋さんのような動物的勘も兼ね備えているようなバッターだともいえる。