【藤田平氏の眼】雰囲気を一変させた阪神・中野の牽引力
「阪神4-1西武」(8日、甲子園球場)
阪神が交流戦初のカード勝ち越しを決めた。中野の右翼線二塁打、森下の適時打で3点を先制し、五回には森下の適時打で加点。先発ビーズリーは来日初完投で3勝目を挙げた。デイリースポーツ評論家の藤田平氏は雰囲気を変えた中野拓夢内野手を評価した。
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少し、いい雰囲気で野球ができるようになったと感じる試合だった。貯金がなくなったところで、選手たちがいい開き直りをしているように見える。中でも、中野がチームをよく引っ張っている。
三回には、下位打線が作ったチャンスを、このところ1番に入っている中野が得点につなげた。五回は1死からヒットでチャンスメークし、貴重な追加点のホームを踏んだ。
中野自身、打席の中で吹っ切れたような印象を受ける。それが積極性になって表れている。これまではいい球を見逃すケースが多かったが、そこに手を出せるようになったことで、自分も結果が出るし、他の打者のムードも上がってくる。キャプテンとしていい形でチームを引っ張っている。
その結果として、昨年よく見られたように、上位からでも下位からでも打線がつながっていく攻撃となって勝利に結びついた。これほど悪い時期が続いても、上位とは差がない。こうしてエンジンがかかってくれば、また走り始めるのではないか。そんな期待を感じさせる勝利だった。
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