岡田阪神のコンディション配慮 練習量調整も試合前シートノックは1年継続「ファン喜んでくれるやんか」
阪神が18年ぶり6度目のリーグ制覇を達成した。今季から2度目の指揮を執る岡田彰布監督(65)の目指す野球が浸透し、2位以下を大きく引き離してゴールテープを切った。岡田野球を6回にわたってひもといていく。第6回はコンディション編。
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ペナントレースが進むにつれてスタンドの拍手は大きくなった。岡田監督が就任と同時に「ずっとやるよ」と宣言した試合前のシートノック。昨年までは夏場や移動ゲームなどは疲労蓄積を考慮して回避することがあったが、今季は悪天候によりグラウンドを使用できない日をのぞいて、1年間継続している。
「シートノックでしかグラウンドに出ない選手もおるやんか。お客さんも目当ての選手がおるやろう。シートノックだけでファンも喜んでくれるやんか」
本番への準備だけでなく、ファンサービスの意味もあると力説。吉田義男、鎌田実、三宅秀史の3人が鉄壁の内野陣を誇っていた頃はシートノックのための練習もしていたそうだ。「ノッカーが空ノックをサードにして、そしたらサードがボールを持っててファーストに送球したら今度はキャッチャーが持ってんのや」。岡田監督自身もプロの“ショー”に魅せられた一人。当時の記憶は鮮やかだ。
夏のロード中には妙案を思いつく。ビジターでは練習の延長という形を取り、シートノックを前倒しすることで試合前の休息時間を長く確保した。ホームの甲子園でも練習時間を短縮し、暑さによる体力の消耗を防いだ。
「練習場はキャンセルしました。遠征中の月曜日の休みは珍しいですね」。8月上旬、球団スタッフが驚きの声を上げた。横浜-東京と続いた関東遠征。これまで試合のない月曜は若手野手の練習を実施していたが、完全オフに。交流戦後のリーグ戦再開までの期間や球宴期間中には、通常は午前の練習を午後にして2日半や1日半の休日を設けるなど、コンディションに配慮してきた。
「うまく体調とかは持ち越さないというか、疲労感というのはないよな。みんながバテてというか、バット振れてないのもそんないてないし。こんなに暑いのに。これで毎日はきついで」。夏の甲子園が終わり、久々に聖地に戻った岡田監督はそう話した。月間負け越しは連戦と長距離移動による疲労で打線が低調だった6月のみ。夏のロードは球団最多18勝(5敗)、9月はさらに勢いを増し、11連勝で一気に優勝まで突っ走っていった。
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