村上と大竹が誤算続き先発陣の救世主 勝負の秋見据えた配置転換-今季、中5日登板一度もなし

 阪神が18年ぶり6度目のリーグ制覇を達成した。今季から2度目の指揮を執る岡田彰布監督(65)の目指す野球が浸透し、2位以下を大きく引き離してゴールテープを切った。岡田野球を6回にわたってひもといていく。第3回は先発投手編。

  ◇  ◇

 昨秋キャンプ初日。安芸のブルペンを視察した岡田監督は背番号41が投げるボールに目を奪われた。「村上、ボールに力があるよな。何か使いようがある。もったいないなあ」。入団2年間で未勝利。実績を踏まえて開幕は「先発7番手」のロングリリーフとして迎えたが、プロ3年目で大ブレーク。初の現役ドラフトでソフトバンクから獲得した大竹も直近2年0勝からローテ争いを勝ち抜き、新天地で飛躍を遂げた。

 開幕から先発陣は誤算続きだった。伊藤将は左肩痛で出遅れ。新助っ人のB・ケラーは故障がちで結局、1軍登板なしのまま退団となった。青柳と西勇も昨季までのような安定感は影を潜める中、チームの危機を救ったのが村上と大竹だ。

 「若い村上とか大竹がホントによく頑張ってくれた」。優勝インタビューで岡田監督がねぎらった2人に引っ張られるように、チームは春先から首位を快走。指揮官は勝負の秋を見据えて、先発の整備に余念はなかった。「ビーズリー先発さすねん。ひょっとしたら先発足りんくなるからなあ」。5月中旬、ルーキー・富田に続いてビーズリーを先発に配置転換。青柳、西勇には再調整期間を設け、後半戦から桐敷を中継ぎに。それでも余裕があった。ファームには常に「順番待ち」の投手が控え、今季、中5日登板は一度もない。

 「最初から8、9枚作ってるから、それだけのことや、6人なんかでいかれへんからのお。9枚目がビーズリーになったけどな」

 9月は11戦連続で先発投手が勝利。1963年以来60年ぶりの快挙だった。同8日からの2位・広島との直接対決3連戦(甲子園)では村上、大竹、伊藤将が無四球で2桁勝利を達成した。チーム与四球数282(16日現在)はリーグ最少だ。「四球はもったいない。(味方打線の四球が)点に絡んでいる試合が多いので、そういう心がけをしています」。左のエース・伊藤将はそう振り返る。「岡田の考え」はリーグ屈指の先発陣にも、着実に浸透している。

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