阪神・村上 最優秀防御率みえた!規定到達まで3回2/3 6回0封&牧斬り「自信になる」
「阪神タイガース0-1横浜DeNAベイスターズ」(17日、甲子園球場)
阪神は18年ぶりのリーグ優勝決定後、初の甲子園での試合で今季13度目の完封負けを喫した。それでも先発・村上頌樹投手(25)はファンを盛り上げた。6回無失点で防御率1・68。あと3回2/3を投げれば規定投球回に到達するため、自身初のタイトルをほぼ手中に収めた。CS、日本シリーズへ向けて弾みをつける快投だった。
聖地に胡蝶蘭の香りが漂う。ペナントをひと目見ようと、場外には長蛇の列が作られた。歓喜の余韻冷めやらぬ甲子園を、村上が魅了。自身にとっての“アレ”も、もう目の前だ。
「立ち上がりから自分らしくテンポ良く投げられるように意識していました」
最大のピンチでギアを上げた。両軍無得点の六回だ。先頭・関根に遊撃内野安打を許し、その後2死三塁と初めて得点圏に走者を背負った。4番・牧と対峙(たいじ)。「牧の前にランナーを出したくなかったんですけど、仕方ないと割り切って。コース低く、ホームランだけないようにというのを意識しました」と気合を入れた。
この日最速149キロの直球2球で追い込むと、カウント1-2からの5球目・外角高めカーブでタイミングを外し、遊ゴロに。力強く右拳を握り、ガッツポーズ。「あそこでカーブで打ち取れたというのは、これからの自信になりますし、引き出しが増えた」と納得の表情を浮かべた。
84球を投じ、6回5安打無失点、3戦連続の無四球で降板。リーグ1位の防御率は1・68に良化した。規定投球回数クリアまで残り3回2/3。2位のDeNA・東は防御率2・17のため、3回2/3を無失点なら逆転される可能性は低くなり、最優秀防御率のタイトルが現実味を帯びてきた。「チャンスはなかなかないなと思うので、しっかりやっていきたい」と意欲十分だ。
岡田監督も「100球いく必要ないしな」と防御率を意識した交代だったと明言。「もう今度(次回登板のイニング数)は4回くらいでええやろ」と最大限に後押しする考えを明かした。さらにCSも見据え、「そっち優先や。初めてこんな投げたわけやからなあ、この1年間で」と万全を整えさせる方針だ。
モチベーションは上々だ。10勝を達成すれば、自主トレで弟子入りした青柳から、プレゼントを買ってもらう約束をしていた右腕。見事に目標を達成した直後、物欲がない村上が悩みに悩んだ末におねだりしたプライベート用のバッグを、師匠から贈られたという。
「次もしっかりゲームを作れるように」。自分らしい投球を続け、飛躍のシーズンを“有終の美”で飾る。
◆防御率タイトルの行方 村上はあと3回2/3で規定投球回到達。この3回2/3を自責3なら防御率1・83。この場合、2位のDeNA・東が今後3試合完封しても防御率1・84で、残り試合数を考慮すれば村上を上回るのは不可能。ただし村上が3回2/3を自責4なら防御率1・89となり、東が3試合完封すれば追い越される。
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