【野球】覚醒した阪神・村上はどこがスゴいのか 他球団が警戒する魔球の存在

 力投する村上
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 阪神・村上頌樹投手(24)が、きょう29日のヤクルト戦に先発する。2年ぶりの先発となった12日の巨人戦で圧巻の7回完全投球。22日の中日戦では9回2安打無失点、10奪三振。プロ初完投初完封でプロ初勝利を挙げた。過去2年、1軍登板2試合で0勝1敗、防御率16・88だった右腕はどこがスゴいのか。

 巨人・大久保打撃チーフコーチは「想定以上だったのは真っスラの曲がり幅が思ったよりも大きかった」とし、直球の軌道からナチュラルに右打者の外側へ逃げていく“魔球”に手を焼いたことを明かした。3打数無安打1三振に抑えられたオコエも「真っすぐも強いんですけど、右ピッチャーであの真っスラはいないんじゃないですか」と同調し、奈良・智弁学園の2学年先輩で、2打数無安打1三振だった岡本和は「相変わらずコントロールが良かったです。ストレートも特徴があり、丁寧に投げてきた印象です」と語った。

 2安打完封負けを喫した中日・立浪監督は真っすぐがスライドするクセ球に差し込まれたとの印象を語り、落合ヘッド兼投手コーチは「ストライクをどんどん投げ込んでくるのはたいしたもんだと思います」と話した。

 共同通信デジタルで球種割合を調べてみると、投球全体で直球(真っスラを含む)は46・8%、ツーシーム22%、カットボール19%、フォーク7・8%、カーブ4・4%なのだが、2ストライク以降の配分を見てみると、直球が13・5%増の60・3%となっており、真っスラを勝負球に各打者を仕留めたことを裏付けている。

 通算2064安打で元阪神監督の藤田平氏は「観察力があって非常に頭がいい投手だと感じる。剛速球や、すごい変化球を投げるわけではないが、抜群の制球力あってうまさもある」とし、1985年に阪神の主戦投手として12勝を挙げてリーグ優勝に貢献した中田良弘氏は「今年のキャンプでも見たけど、そんなにスゴいボールがあるわけじゃないんだよ。ただ、低めに集めるコントロールと、打者の手元でグッと伸びる球が武器。初速と終速の差が小さいから、打者からすると意外にボールが来てるという印象を受けていると思う」と語った。

 今季3度目の先発マウンドでは“村神様対決”にも注目が集まるが、ヤクルト・杉村打撃コーチは「今は相手投手がどうというより、ウチのバッティングがどれだけできるか」と語った。今季3試合(うち先発2試合)に登板して、17イニング連続無失点の防御率0・00。東洋大時代に九回2死まで完全試合を繰り広げた思い出の神宮で、再度の快投を演じるのか。(デイリースポーツ取材班)

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