阪神・近本 “御礼打”球宴最多得票に感謝の同点適時打 悔しい敗戦も「収穫あった」

 「阪神2-4中日」(28日、甲子園球場)

 感謝の思いを込めた一振りで、聖地を沸かせた。阪神・近本光司外野手(28)が七回2死一、二塁から同点に追い付く左前適時打を放った。この日発表された「マイナビオールスターゲーム2023」のファン投票最終結果で、阪神勢はセ・リーグ全9部門でトップを独占し、史上最多の10人が選出された。76万9587票で両リーグ最多得票となった近本が延長十回で惜敗した中、執念の一打でファンの後押しに応えた。

 敗戦に静まり返る聖地を一時は盛大に沸かせた。2点を追う七回、木浪の適時打で1点を返し、代打・ノイジーの死球で2死一、二塁となって打席に近本が立った。フォークが2球続き、カウント1-1の3球目、高橋宏が外角いっぱいに投じた152キロ直球をはじき返した。「あっちに飛んでいくかな、むしろ飛んでいってくれ」。願いを込めた痛烈な打球が三塁線を破った。執念の同点適時打。一塁上で3万9436人の大歓声を一身に浴びた。

 第1、2打席は高橋宏のフォークに2打席連続三振を喫していた。六回の第3打席では「タイミングを早く」と意識を変えたという。2球目のフォークを捉え「ラッキーな形」としながらも内野安打とした。複数安打は14日・オリックス戦(甲子園)以来。「収穫もあった」と多くは明かさなかったが、明るい兆しをつかみつつあるのかもしれない。

 この日は球宴のファン投票最終結果が発表された。近本は外野手部門で76万9587票を集め、両リーグを通じて最多得票となった。「正直、びっくりしている」と目を丸くした背番号5は、虎党の圧倒的な支持に御礼の2安打で応えた。

 “お祭り男”でもある。初出場の19年には史上2人目のサイクル安打を達成して、球史に名を刻んだ。過去3度の出場で打率・733(15打数11安打)、1本塁打、3打点の数字を残した。自身4度目の球宴に向けて「いつもと違うプレーを見せないといけないかなと思う。初球からしっかりフルスイングしたい」と抱負を語った。

 今季7戦目の延長戦で初めて敗れ、中日戦の連勝も6で止まった。5連敗を止めた直後の試合を白星で飾ることはできず、チームは一進一退が続く。それでも岡田監督は「よう追い付いたと思うよ」と選手の奮闘をたたえた。2位・DeNAも負けたため、首位は堅持した。球宴まで残り16試合。まだ11もある貯金を着実に増やしていくだけだ。

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