阪神 矢野監督ラストゲームに万感 選手に、ファンに「いや、もう感謝しかないよね」
「セCSファイナルS・第3戦、ヤクルト6-3阪神」(14日、神宮球場)
3連敗でCSファイナルS敗退が決まり、今季限りでの退任を表明していた阪神・矢野燿大監督の挑戦がついに幕を閉じた。選手たちが自ら考え、失敗を恐れず積極果敢に挑み、ファンを喜ばせる「俺たちの野球」の浸透をはかった4年間。試合後、神宮の虎党から温かな拍手に送られて、指揮官は穏やかな表情のままグラウンドを後にした。
最後も課題としてきた守備が乱れた。
3-0で迎えた七回。先発の青柳が3四死球で2死満塁のピンチを背負うと、山崎の一、二塁間への打球を処理したマルテが二塁に悪送球。手痛い適時失策で2者が生還し、1点差に迫られた。
ここで青柳は降板も、2番手・浜地がヤクルトに傾き始めた流れを止められない。宮本に四球で再び2死満塁。村上はボテボテの投ゴロに打ち取ったが、打球を処理した浜地の一塁へのグラブトスが大きくそれた。外野を転々する間に3者が一気に生還。この回、痛恨の適時失策2つで試合をひっくり返された。
九回2死、原口が空振り三振に倒れると、指揮官は自ら高津監督の下に歩み寄り、握手をかわした。
試合後、七回に出た守備のミスを問われた指揮官は「ギリギリのプレーやったと思うからね。あれをアウトにするチームになっていかないとダメだし。みんながしっかりと受け止めながら、1人1人成長していくしかないと思います」。最後までマルテ、浜地を責めようとはしなかった。
2018年10月の監督就任会見。「今までやってきた『超積極的』『あきらめない』『誰かを喜ばせる』。これは僕がやっていく中で大事にしていきたいものと思っています」。自ら示した指針に従い、チーム強化に努めた。
19年は3位、20年は2位、21年は優勝したヤクルトにゲーム差なしの2位で涙を飲んだ。就任4年目はキャンプイン前日に今季限りでの退任を表明。「自分も挑戦していきたい。それがチームのためにも、選手のためにもなるかな、という決断で決めた」と退路を断って臨んだ。
セ・リーグワーストを更新する開幕9連敗スタートも、徐々に巻き返して3位でCSに進出。自らの信念を曲げずに貫き通し、4年連続Aクラスへ導いた。
矢野監督は最後に「いや、もう感謝しかないよね。最後ああやって声援してもらえるのもあれやし、この選手たちとやれたこともそうやし、感謝しかないね」と語り、万感の思いに浸った。求め続けた俺たちの野球。4年間のチャレンジに悔いはない。
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