【中田良弘氏の眼】阪神・ガンケルは終盤戦へ貴重な戦力 守りの大切さを意識せよ

 「阪神9-3DeNA」(26日、京セラドーム大阪)

 43日ぶりの実戦登板となった阪神・ガンケルだが、持ち前の制球力も発揮して素晴らしい投球だった。特に右打者の内角へのツーシームが制球されていて、他の変化球を生かす投球ができたと思う。

 課題のスタミナ面では中盤以降に球が高めに浮き始めていたが、6回1/3を2失点でしっかりと試合を作れている。先発では青柳、秋山、西勇が開幕からローテを守っているが、ここに計算のできる投手が1枚加わったのは大きい。大事な終盤戦へ貴重な戦力となる。

 2番手の及川の投球も光った。3点リードの七回1死一塁で登板して、代打・蝦名を2球で追い込む攻めの投球。強力打線のDeNAが相手だけに、中軸に回したくない場面で見事な救援だった。

 ただ、投手陣が厚みを増す一方で課題は守備。五回は三塁ゴロを大山が余裕をもってさばきながら一塁へ悪送球。打たせて取るタイプが多いだけに、こうした失策は先発が崩れる要因になりかねない。優勝を争う中、あらためて守りの大切さを意識してもらいたい。

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