阪神・近本は新選手会長の資質十分 高校恩師が明かす「近本寮長」の思い出

 阪神・近本光司外野手(26)が兵庫・社高時代の恩師との新春対談に臨んだ。元社高野球部監督・橋本智稔氏(53)=現兵庫県立農業高教頭、そして取材構成を務めた井上慎也記者(28、同校野球部で近本の先輩)と高校時代の思い出話で盛り上がる中、恩師は当時の「近本寮長」の印象を回顧。今季から選手会長を務める近本が持つ“人を束ねる資質”についても語った。

  ◇  ◇

 橋本「ところで、近本はそんなに足が速かった?」

 近本「僕より速い人はいっぱいいました」

 橋本「高校の時の近本の売りは、走力ではなく打力だったからね」

 近本「足でというのはなかったですね」

 橋本「でも、対戦相手からは近本の足が速いというのはよく聞いていたよ」

 近本「本当ですか。盗塁を意識したのは、大学で野手に転向してからですね。それまでは何も考えていなかったです」

 橋本「今思えば、高校の時に盗塁のサインをあまり出したことがなかったな。こんなに足が速いならもっと出しておけばよかった」

 近本「最後の試合でサインが出ていないのに勝手に走ったことがありますよ(笑い)」

 井上「高校の時にはいろんな練習があったけれど、印象に残っているのは何かある?」

 近本「いっぱいありますよ。0・5がよかったです。今年は試合前の打撃練習でも取り入れていました」

 井上「そのおかげで復調していった面もあったかもね」

 -0・5の練習とは?

 近本「打撃練習の一つで、投手が投げてから捕手のミットに収まるまでの時間が0・5秒という練習です」

 橋本「0・5秒というのが打者の体感速度では120キロになるんです。6~7メートルの距離かな。遅い球ってきちっと振らないと飛ばないんですよ。引きつけるというか、感覚がつかめるまで振らないといけないので、速い球を打つよりも難しいんですよ」

 -高校時代に橋本氏から言われたことで今でも印象に残っていることは?

 近本「平々凡々…」

 橋本「平々凡々というのは、平々凡々とした生活からは何も生まれないよということです。近本は寮にいましたし、最後は寮長をしていましたからね。毎日の緊張感もありましたし、それを持ち続けなさいという意味です」

 (続けて)

 「近本は寮長として自立という部分では実践してくれた。任せて大丈夫という。近本の誠実さが後輩たちにいい影響を与えて、今でも継続されている」

 井上「寮長になって何かを変えたことはある?」

 近本「それまでは上下関係が厳しいというか。いろんなルールがあったんですけど、なくしましたね。風呂の入り方だったり、食事の仕方だったり。後輩たちが生活しやすい環境を作っていきました」

 橋本「近本は上級生になっても、怖さを出さなかった」

 近本「出せなかったんですよ」

 井上「来年はチームの選手会長を任されるけど、ビジョンは」

 近本「まだ、どんな仕事をするのか分からないので前任の梅野さんに聞いたりしてやっていきたいです。やるからには、何か一つ残ることをやりたいと思っています」

 橋本「近本は自分を持っているけど、わがままではない。本当にナイスガイだよね。先輩や後輩で誰も近本の悪いことを言うのを聞いたことがない」

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