近本 プロ初4安打 今季104本目!セ新人最多ミスター153本超えペース
「阪神7-6中日」(30日、甲子園球場)
甲子園が阪神・近本光司外野手を強くさせる。最後まで決して諦めなかった。走攻守の全てでチームを鼓舞。黄色いスタンドも揺れる。この景色が見たかったんだ。プロ入り初の4安打に、「最高です!!」と声を張り上げた。
最高のお膳立てとなった。1点ビハインドで迎えた九回。5打席目に向かうと、最後まで勝利を信じた虎党から大歓声が巻き起こった。「僕がランナーで出れば、何が起こるかわからない」。自らを奮い立たせた。すると2球目だった。甘く入った直球を捉えると、打球は右前へ。イメージ通り、出塁に成功すると、続くソラーテの劇的な逆転サヨナラ弾を呼び込んだ。
大暴れだった。1点を追う二回に一時同点となる適時内野安打を放つと、五回には中前へきれいにはじき返した。逆転された直後の六回には中前適時打を放ち、勝ち越しを呼び込んだ。
しばし旅立つロードの前に示した存在感。開幕から積み上げてきた「104」本の快音に、その先を見つめる。この日の4安打でシーズン154安打ペースとなり、セ・リーグ新人では58年・長嶋茂雄(153本)を上回る勢いだ。
背番号「5」のユニホームに、名前の入ったタオル…Tシャツも。猛暑に備え、うちわも買ったという。「8月にバスツアーがあるみたいで。サインも書いてプレゼントします」。全てが実費だと笑う。近本から故郷の人へ贈るサプライズ“企画”だった。
淡路島で生まれ、その土地ですくすくと育った。「島って地域性とか強い。淡路島からたくさん試合も見に来てくれたり、応援してくれたりするので。本当にうれしいですよね」と近本は言う。
6月末に実家へと帰省したときには、まっさらなサイン色紙の山があった。約2時間かけて、全てにペンを走らせたという。励みになるのは、地元から届くエール。近本には伝えたい思いがある。何度も、何度でも、甲子園で輝いていく。
関連ニュース




