糸井、17号ソロで甲子園ゼロ行進止めた!CS予行演習左腕撃ち

 「阪神2-1中日」(5日、甲子園球場)

 本拠地でのゼロ行進を止めた。阪神の糸井嘉男外野手(36)が1点を追う六回、右越えに17号ソロを放ち、9月18日・広島戦の七回以来となる得点をスコアボードに刻んだ。チームは逆転で3連勝、甲子園での1分けを挟む連敗は5でストップした。きょう6日はレギュラーシーズン最終戦。白星で締めて、DeNAとのCSファーストSへ弾みを付ける。

 負の連鎖を止めた。長く続いたゼロ行進に、一振りで終止符を打って見せた。久々に、聖地に鳴り響く「六甲おろし」をバックにダイヤモンドを一周した糸井。17号ソロアーチが、日本一を目指す猛虎打線に甲子園35イニングぶりの得点をもたらした。

 場面は1点を先制された直後の六回だった。1死走者なしで迎えた第3打席。初球、小笠原が投じたチェンジアップが抜けて顔面付近を通過した。思わず驚きの表情を浮かべた背番号7。だが、集中力は切れていなかった。

 まるでストレートが来ると読み切っていたかのように、2球目、真ん中高めのストレートを力強く振り抜いた。やや詰まらされたものの、美しい放物線は長い滞空時間を経て右翼席へ着弾。序盤からチェンジアップとストレートのコンビネーションに打線が苦しむ中、「さすが糸井」と言っても過言ではない一発だ。

 圧倒的なパワーと時折、不思議な発言を繰り返すことで「超人」と呼ばれる男。だが、試合に臨む前は誰よりもストイックに準備を重ねる。山脇中日担当スコアラーは「ああいうイメージがあるかもしれないけど、よく相手の情報は聞いてくるよ」と明かす。

 少しでも相手投手のデータを頭に入れ、それを打席で生かす。チェンジアップ後のストレートを力強くフルスイングできたのも、確かな傾向が試合中から出ていたからだ。CSファーストSでは、小笠原と同タイプのDeNAの今永、浜口、石田の左腕トリオが先発してくる可能性が高い。

 狙い球を絞って仕留める重要性を“仮想DeNA左腕トリオ”で示した背番号7。金本監督も「さすがベテランというか、力のある選手が打ってくれてよかったです」と目を細める。

 「無得点記録?それもあったし、CSもありますので、あと1試合、しっかりやっていきたい」と力を込めた糸井。そして「シーユー!」と最後に言い残し、クラブハウスへ消えた。不名誉な記録を止め、短期決戦へはずみをつけた1勝。頼れる男の背中が、逆転日本一への道を切り開く。

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