糸井、虎デビュー戦初打席初安打 165日ぶり実戦古巣撃ち

 「オープン戦、オリックス8-0阪神」(15日、京セラドーム大阪)

 右膝関節炎からの完全復活を目指す阪神・糸井嘉男外野手(35)がさすがの虎デビューを飾った。オリックス戦に「3番・DH」で移籍後実戦初出場。初回の第1打席でいきなり中前打を放った。昨年までの本拠地で虎党だけでなく、古巣のファンの前でも健在ぶりを示した。

 糸井は、やはり“超人”だった。慣れ親しんだ京セラドームの左打席に入った初回2死の場面。昨季までの同僚・松葉をにらみつけ、フルスイングの真っ向勝負で挑んだ。カウント3-2となり、7球目。低めに沈む緩い変化球を巧みなバットコントロールで捉え、中前へはじき返した。

 「久々の打席で、真っすぐは速かったですね。でも、変化球を拾えたのは良かったです。やっとここまで回復したかなという感じ」

 オリックス時代の昨年10月1日・楽天戦(コボスタ宮城)以来、165日ぶりの実戦。右膝関節炎でずっと戦列から離れていたが、今年初打席で結果を出すあたりはさすがだ。三回無死一、二塁の2打席目は空振り三振に倒れ、そのままベンチへ。上々の虎デビューに、見守った金本監督の声も弾んだ。

 「変化球をうまく拾って。特に心配はしていないし、あとは体の状態だけというか膝の状態」

 指揮官の熱意に応え、阪神への電撃移籍を決断した16年11月。新天地への情熱は日々増していったが、同時に心のどこかで引っかかるものもあった。虎加入に伴い、人的補償でオリックスへ移籍することになった金田のことだ。糸井は古巣の球団関係者に、右腕へメッセージを伝えてもらうようにお願いをした。

 「『ごめんね』と。糸井さんが言っていたと聞きました」

 思いを受け取った金田は、言葉を素直に受け止めたという。「プロの世界では起こり得ることだと思っています。今は『オリックスで頑張りたい』という気持ちですね」。糸井の心は、右腕に通じていた。天然キャラから“宇宙人”とも言われるが、誰よりも相手の気持ちを思いやる優しい男だ。

 「実戦の中で投手の球を見たいと思っていたので、今日は見られて良かったです。まだまだ、実戦に出ていきたいと思っています」

 糸井は力強く話す。金本監督は「帯同すると思うよ。そこは任せているから」と17日・中日戦(ナゴヤドーム)から始まる遠征にも、同行させることを明言した。オープン戦は残り9試合。背番号7の視線の先は3月31日、広島との開幕戦だ。さあ、虎柄に染まる男が浪速のど真ん中から走りだす。

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