藤浪 感謝のバースデー星、自身3連勝

 「阪神4-3DeNA」(12日、甲子園球場)

 阪神が逆転勝ちで連敗ストップ。巨人、広島に並ぶ首位タイへと浮上した。この日、22歳の誕生日を迎えた先発の藤浪晋太郎投手が、3失点(自責点2)で七回途中降板ながら9三振を奪う力投。リーグ単独トップの25奪三振となり、バースデー星で自身開幕3連勝を決めた。

 エースの強い責任感が、指先を狂わせた。4-1の七回、藤浪は失策から1死満塁のピンチを背負うと、代打・下園に2点タイムリーを献上。リードを1点とされ、無念の降板を告げられた。

 「(失策で)流れが変わりやすいところで、しっかり締めないといけなかった。気合が空回りしてしまいました。早くこの回を終わらせたいという焦りもありました」

 初のバースデー星はほろ苦かった。6回1/3を投げ4安打3失点。先制点を与えながら、逆転してもらっただけに、悔しさは倍増だ。

 「情けないの一言に尽きます。野手の方がすぐに逆転してくれた中でのピッチングでしたし、週頭の火曜日ということで、七、八回は投げないといけない試合でした」

 ただ、開幕から自身3連勝。五回にはバットと全力疾走で三塁打をもぎ取り、チームの連敗をストップさせたことも、また事実だ。143試合のペナントレース。こうした悔しい1勝も次回以降の糧となる。

 22歳の誕生日を迎えた藤浪に、両親から、ご褒美が待っている。母・明美さんは先週金曜日、大阪市内にある阪急メンズ館を訪れた。購入したのは海外製のTシャツ。同じXLのサイズでも日本製は「横にダボっとしてしまう」という。「インポート(輸入)のものだと丈が長い。ちょっと高いけど、これやったら着てくれるかな」と親心たっぷりの贈り物だ。昨年のプレゼントも30センチの大きな靴下。197センチの悩みを知るからこそのチョイスで後日、ねぎらいの言葉と共に手渡すつもりだ。

 「誕生日?どうでもいいです。関係ない。今日は付けてもらった勝ちなので、野手の方や苦しいところを助けてもらったリリーフの方に感謝したいです。借りができたと思うので、来週以降、しっかり返せるように、自分の力で勝てるようにしたいと思います」

 藤浪は敗者のように、反省の弁を繰り返したが、最後は前を向いた。今季4度目の登板は19日・ヤクルト戦。舞台は同じ甲子園だ。恩返しの気持ちを白球に込め、次回こそ納得の白星をつかむ。

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