イチローが代打を送られた理由とは…

試合前のフィールドでマッティングリー監督と話し込むイチロー(撮影・小林信行)
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 「マーリンズ4-1ブルワーズ」(9日、マイアミ)

 マーリンズのイチロー外野手(42)はブルワーズ戦の八回に代打で出場し、四球だった。守備には就かず、打率は・317(41打数13安打、5四球)のまま。チームは勝って連敗を「2」で止めた。

 6戦ぶりに先発出場した前日のフィリーズ戦は1点を追う九回1死走者なしの場面で代打を送られた。休養のためにスタメンを外れた主砲、スタントンがイチローに代わって打席に入ったが、結果は空振り三振。チームはそのまま敗れた。

 イチローに代打を送った理由。首脳陣の一人は開口一番、「内野手が残っていなかったからだ」と説明した。聞けば、代打スタントンはイチローのところではなく、本当は先頭打者の二塁ロハスのところで使いたかったというのだ。

 しかしマーリンズは1点を追う七回の攻撃で投手の打席で一塁ジョンソンを代打で、イチローの得点で勝ち越しに成功した直後の八回の守備でロハスを二塁の守備固めで起用していたため、控え内野手が残っていなかった。ロハスの打席で代打を送ってしまうと、九回に追いつき、延長戦に突入した場合、内野を守れる選手がいないことになる。それが一番の理由だというわけだ。

 ただ、先頭ロハスが打席に立ったとき、次打者のイチローはネクストバッターズサークルでバットを振っていた。そして、ロハスがアウトになった瞬間、イチローはベンチに下がり、代わってスタントンが登場した。

 その一連の流れについては「ロハスがなんらかの形で出塁し、無死一塁になっていたら、イチローには送りバント、もしくはヒットエンドランのサインを出すつもりだった」と前出の首脳陣の一人。バントの上手さはチーム1、2を争うイチロー。足もあるだけに送りバントがバント安打になり、無死一、二塁の形になる可能性もあった。エンドランが成功すれば、無死一、三塁だ。得点圏に走者を進ませることができれば、うしろにはチーム首位打者のプラド、さらに同打率2位のイエリチが控えている。

 先頭打者が出塁していれば、イチローはお役御免だったかと言えば、そうではない。ロハスが長打で二塁、もしくは三塁まで進んでいた場合、「イチローをそのまま打席に送っていた。なぜならインプレーにできる打者だからだ」。チャンスに強い打者。イチローに対する首脳陣の信頼が見える。

 実は、この日と同じような場面が6日の試合にもあった。

 同点の七回。ベンチスタートだったイチローは先頭ロハスの打席のときにネクストバッターズサークルで代打に備えていた。ところが、ロハスが遊ゴロに倒れた瞬間、マッティングリー監督はイチローをベンチに戻し、同じ左打者でパワーヒッターのボアを代打で起用した。

 理由は同じだ。走者がいれば、マーリンズ首脳陣は状況に応じたバッティングができるイチローを起用し、勝利の可能性を探る。走者がいなければ、一発のある打者のバットに賭ける。

 この日は3点リードの八回1死二塁の場面でイチローは代打で起用された。結果は4球連続ボールでバットを一度も振ることはなかったが、後続の適時打でチームは貴重な1点をもぎ取った。

 試合前のチーム練習。レフトで打球を追うイチローの元へマッティングリー監督が歩み寄った。マイアミの太陽を浴びながらフィールド上で話し込む2人の姿があった。

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