履正社・山口裕次郎143キロ7回9K
「春季高校野球近畿大会・準決勝、履正社9-2智弁和歌山」(5日、紀三井寺球場)
履正社のドラフト候補・山口裕次郎投手(3年)が、智弁和歌山の強力打線を4安打2失点に抑え、七回コールド勝ちでの決勝進出の原動力になった。
立ち上がりは「ボールを押し出すような感じになってしまった」と制球を乱したが、二回以降はしっかりと修正。自己最速となる143キロ、アベレージで140前後を計測したストレートで相手打者を押し込んだ。最終回には直球で3者連続三振を奪うなど、日米8球団のスカウトを前に輝きを放った。
3月に腰を痛め、テークバックを小さくするフォームに変えたことで球威が上昇。ボールの出どころも見づらくなった。智弁和歌山の高嶋監督は「振れてなかったということはタイミングが取れていない。(次回対戦するなら?)積極的に打つしかない。待っても打てる投手じゃないから。3点以内の勝負に持ち込まないといけない」と評する。
チームメートにはドラフト1位候補の寺島がいる。だが春の大阪大会、近畿大会と結果を積み重ねてきたことで「まだ1番をつけて試合で投げたことがないので、1番をつけて投げられたらいいなと思います」と力を込めた山口。超高校級左腕の2本柱は、激戦区・大阪を勝ち抜く上で頼もしすぎる存在だ。