愛媛・四ツ谷 IL選抜のムードメーカー
【愛媛・四ツ谷良輔内野手】
6月4日に北米遠征へ出発したアイランドリーグ選抜チームで、自称“真のキャプテン”としてムードメーカー役を務めているのが四ツ谷良輔だ。ウオーミングアップから非常によく声が出ている。
同行する伊藤和明トレーナー(愛媛)が不思議がる。
「そんなキャラじゃないのに。5年目だし、チームだと上から言わなきゃいけない立場だから」
それには理由がある。昨年の北米遠征序盤、球団同士の垣根を取り払うのに時間がかかった。ようやく1つにまとまり始めたのはアメリカラウンドを終えて、カナダラウンドに入ったころからである。
「最初『同じチーム同士で固まって』って感じで。ほかのチームの選手と話すこともあまりなかったですし。それが最後のほうになって“チーム”になった。そこら辺で僕も、いつもの感じでできたので。それを1日でも早くすれば、最初から強いチームになれる」
あまり固くなりすぎてもいけない。あえて北米遠征仕様の「YOTSU」として盛り上げ役を買って出ている。
昨年、個人として学んだのは「対応力」だ。投手の投げるボールの軌道の違いや、アイランドリーグにはない天然芝のグラウンドで、打球の勢いが殺されるのかと思いきや思った以上に速いなど、経験しないと分からないことが多々あった。それぞれに対応していかなくてはいけない。
「打球が速いので、ちょっと横でも抜かれることが多かった。正面の打球とか、獲れるアウトをしっかり獲ることを考えて」
6月8日に23歳の誕生日を迎えている。調整練習を終えて宿舎に向かうバスのなかで、突然「ハッピーバースデートゥユー」が歌われた。プレゼントされたド派手な星条旗のコスチュームを着せられ、車内が爆笑の渦に包まれた。
「でも、ああやって愛媛だけじゃなく、ほかのチームの選手、スタッフからも祝ってもらえた。それはうれしかったですね」
9日に行われた公式戦初戦、7対1で完勝し、白星発進を決めた。昨年の初勝利は3戦目。ムードメーカーの効果が表れている。