広島・大瀬良「見苦しい投球に」 自己ワースト7四球も5回1失点で3年ぶり7勝目 新井監督「気持ちで粘りを見せてくれた」
「広島2-1DeNA」(3日、マツダスタジアム)
広島・大瀬良大地投手(34)が“怪投”で3年ぶりのシーズン7勝目をつかんだ。立ち上がりから制球に苦しみ、プロ入りワーストの7四球。それでも被安打は2にとどめ、5回1失点の粘り腰を発揮した。チームは連敗を3で止め、3位・DeNAに1ゲーム差に迫った。CS進出に向けたシーズン終盤。一丸となって白星を積み上げていく。
三回表を無失点に封じた大瀬良は自分に怒っていた。「あんな見苦しい投球になってしまっていたので、自分に対する気持ちが出てしまった」。ベンチへと歩きながら2回、大きく叫んだ。どれだけ苦しくても、もがきながら腕を振るエース。「探りにいかず、(ストライクは)取りにいかないけどコースで球の強さを出せるように切り替えた」。自己最多の7四球を与えながら“不思議な7勝目”を手にした。
序盤から球場全体が、ざわついた。初回は1死から2者連続四球。二回も先頭へ四球を与えると、三回は1死から3者連続四球で満塁とした。失点の可能性が高まった中、佐野を一直に仕留め、一走が飛び出していたため、併殺の形となり無失点で切り抜けた。
四回は1死三塁とされるも、後続を寸断。四回を終え6四球と波に乗れない状況を受け入れた。
「どんなにテンポやリズムが悪かろうが、ホームを踏ませたくない。四隅に制球できなかったけど、何とかラッキーな打球になってくれるコースに投げられたりとか。みんなが支えてくれたので、甘く(ストライクを)取りにいくことだけはやめようと。とにかく根気強く、点をやらないように切り替えて投げました」と汗を拭った。
五回は先頭・蝦名への四球から1死二塁とされると、筒香に左翼線へ適時二塁打。先制点を献上した。制球に苦しんだものの、続くオースティンを迎えた場面では集中力と感性を研ぎ澄ませた。
フルカウントからファウル2球で粘られ、8球目。「カットだと中に入って一発もあるだろうし、シュートは頭にないだろうし。三振を取りにいくか、詰まらせるか。手が伸びないところで勝負できることを考えた」。最後は内角シュートで見逃し三振に仕留め、5番の佐野も中飛。傷口を最小限に食い止めた。
球数は五回を終えて101球。粘りに粘った姿に新井監督も「苦しいマウンドだったと思うけど、気持ちで粘りを見せてくれた」と評価した。
チームの連敗を3で止め、自身は3年ぶりの7勝目。最近2年間、立ちはだかっていた“6勝の壁”も越えた。「(四球)7個は人生でも記憶にない。恥ずかしいけど、チームが勝ってくれた。しっかり反省して次に向かいたい」と大瀬良。勝てた事実をプラスに捉え、しびれる終盤戦で存在感を示す。





