広島・新井監督「前へ前へと思ってやっていく」 44年ぶり阪神戦9連敗 7月2度目6連敗…七回無死満塁で代打野間が痛恨併殺
「阪神1-0広島」(29日、甲子園球場)
トンネルの出口はまだ見えない。広島が今季14度目の完封負け。1981年以来44年ぶりの阪神戦9連敗となり、屈辱の敗戦を喫した。中盤は苦手の相手先発・大竹から好機をつくるも、今月2度目の6連敗で借金は10。ただ新井貴浩監督(48)は打線の現状をプラスに捉え、前を向いて戦う姿勢を強調した。今日こそ、悪循環に終止符を打ってくれ!
敵地が虎党の熱気に包まれる中、塁上に残った選手たちは肩を落としながらベンチに戻った。不名誉な記録を上塗りした、屈辱の敗戦。44年ぶりの阪神戦9連敗と、またしても猛虎の引き立て役に回った。新井監督はサバサバした表情で「あと一本っていう、そこまでいってるんだけどね」と敗戦を受け止めた。
チームは5連敗中で、相手先発は今季3戦3敗で通算1勝12敗の大竹。天敵左腕攻略へ闘志を燃やすも、1点を追う二回は2死一、三塁で矢野が遊ゴロ。六回は2死満塁で坂倉が二ゴロに打ち取られた。わずか1点のビハインドがとてつもなく重く響く中、七回に絶好機が到来した。
敵失と安打などで無死満塁と、逆転勝ちへの輪郭が見え始めた。ここで指揮官は代打に野間を送って勝負に出た。押せ押せムードが高まり、同点は確実と思われた状況で野間は投ゴロ併殺。反撃ムードは一瞬にしてしぼんだ。なおも2死二、三塁で大盛が左飛。土俵際まで相手を追い詰めながら、逆に振り切られてしまった。
野間は「いろんなところに対応しないといけない中で、最悪なところに飛んだ。『何とか1点でも』という中で、ああいう結果になった。今日の試合は僕のせい(で負けた)かなと思います」と黒星の責任を背負った。
新井監督は「ウチの代打の1番手って野間なんでね」と高いミート力と選球眼を兼ね備えた背番号37に信頼を寄せる。だからこそ「野間でああいうふうになったら、これはもうしょうがない」と潔く振り返った。
この日は先頭打者が相手失策で2度出塁。首位を快走する阪神に対し、付け入る隙はあった。しかし負の連鎖を打ち破る局面を得点につなげられず、これで大竹には通算1勝13敗。今月2度目の6連敗で、借金は2桁の10に膨らんだ。
最下位に4・5差
最下位・ヤクルトには4・5ゲーム差となり、上位進出だけにフォーカスしていられる状況ではなくなってきた。新井監督は「また次、対戦があると思うので前へ前へと思ってやっていきたい」とポジティブな姿勢で次戦を見据えた。まずは30日の一戦。全員で連敗脱出に心血を注いでいく。
◆阪神戦、1シーズンでの9連敗は44年ぶり 広島は5月16日に阪神に4-2で勝ったが、その翌日の17日から阪神戦に9連敗。これまで2005~06年のシーズンをまたいで1分けをはさんで9連敗を記録したことがあるが、1シーズン内での9連敗以上は1981年5月23日~8月23日に2分けをはさんで12連敗を喫して以来、44年ぶり。





