広島 コルニエルあっぱれ!!7回途中1失点 来日初先発で侍・今永と堂々 新井監督「今度は野手が援護」
「広島0-1DeNA」(21日、マツダスタジアム)
広島のロベルト・コルニエル投手(27)が来日初先発で7回2/3を4安打1失点と好投した。走者を背負いながら粘りの投球で七回まで無失点。八回1死満塁のピンチで、一ゴロの間に1点を失い降板。敗戦投手になったものの、堂々とした投球内容が光った。新井監督は次回以降の先発継続を明言。育成出身のドミニカンがチャンスを勝ち取った。
マウンドを降りるコルニエルにスタンドから温かい拍手が送られた。ベンチに座る新井監督も鯉党に呼応し、手をたたき続ける。来日初先発で7回2/34安打1失点。WBC帰りの今永と堂々、投げ合った右腕を誰もが温かく迎え入れていた。
「いい結果。相手の投手もすごかった。いい試合だった」
緩急を使いながら粘り強く腕を振った。三回1死満塁で迎えた牧はスライダーで遊飛。速球を意識させて最後に変化球でタイミングを外した。序盤を無失点。勢いに乗った。
「いろんな場面、いろんなスピードを試合の中で考えた。打者にタイミングを取らせないようにして投げた」
中盤以降も持ち味を発揮。150キロを超える速球を軸に、春季キャンプで黒田球団アドバイザーに指導を受けたツーシームや、佐々岡前監督に勧められたカーブを織り交ぜた。
キャンプ中には黒田アドバイザーから「ツーシームは本当にすごく良いボール。信じて投げよう」と背中を押された。「投げる気持ちが変わった」。自信を胸に腕を振り、WBC決勝戦で先発したハマのエースと渡り合う姿が頼もしかった。
ウエスタンで3試合に先発し2勝0敗、防御率0・50。18回を投げ19奪三振とまぶしい光を放ち、この日の先発を勝ち取った。
新井監督は「変化球の精度が上がっているし、黒田さんから教えてもらったツーシームも良かった。本当にナイスピッチング」とたたえた。次回について問われると「もちろん」と先発継続を明言し、「次に彼が投げるとき、今度は野手が援護してあげたい」と話した。
粘りながらも黒星がついた登板の反省点は、失点に直結した八回無死からの2連続四球だった。「残念だし、だから1点を取られてしまった」と右腕。攻めの投球を貫いた上で、次回登板では同じ轍(てつ)を踏まない。
「きょうみたいに一緒の流れでいきたい。ピンチのときも集中をして頑張りたい」。コルニエルは前を向いた。自信を持って腕を振り、今度こそ先発での1勝をつかみ取る。




