カープ床田 「バキッ」バット折った 開幕ローテ見えてきた 助言送った新井監督「慎重に一段一段」

 シート打撃に登板する床田(撮影・山口登)
 シート打撃に登板し打者を圧倒する床田(撮影・山口登)
 登板を終え、新井監督(左)に声をかけられる床田
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 「広島紅白戦、白組3-0紅組」(14日、天福球場)

 広島・床田寛樹投手(27)が14日、今キャンプ初めてシート形式の打撃練習に登板した。打者12人に投げ安打性の当たりは2本。昨年8月、ゲーム中に右足首を骨折して以降、初めて打者を相手に投げ、順調な回復ぶりを印象づけた。左のエースとして期待される男の開幕ローテ入りが見えてきた。

 球場内に「バキッ」と大きな音が響いた。宇草と対峙(たいじ)した床田がバットを折った瞬間だ。「きょう一番手応えがありました」。故障した右足を強く踏み込み、地面からの力を指先に伝えた直球。復活を示した1球だった。

 「もっと(球が)荒れるかなと思ったけど、普通にストライクも取れましたし、良かったなと思います」

 末包、宇草、羽月の3人が入れ替わりながら打席に立ったが、安打性の当たりを2本に抑えた。最速144キロの直球には力強さがあった。決め球のパームは「全部高めに吹いちゃった」と苦笑いを浮かべるも、力強く腕を振れたことが何より収穫だった。

 「僕はどっちかというと空振りを取りたいとかだったので、詰まらせにいくのもアリかなと思いました」

 登板後は、新井監督や黒田球団アドバイザーと会話。指揮官からは打者目線の助言を受けた。

 「詰まるのが一番嫌だと。詰まったら次の打席にそれをすごく意識するから、外が遠く見えたりする。その球を意識させたら勝ち、という感じだった」

 考え方の幅が広がった言葉。今後の実戦で生かしていく。

 昨年8月3日のDeNA戦で右足首を骨折。故障後、打者を相手に投げるのはこの日が初めてだった。195日ぶりの“実戦投球”を見守った新井監督は「もう問題ない。慎重に一段一段、上げていってほしい」と期待を寄せた。

 キャンプ初日から順調に練習を重ねてきた。ダッシュなど実戦の動きに近いメニューもこなした。この日、投球と同じく課題にしていた一塁ベースカバーの一歩目も確実に踏み出せたことに手応えがあった。

 「いけると思います」

 床田は力強く言い切った。このまま順調に調整が進めば、照準を合わせる開幕ローテ入りに支障はない。

 15日に日南キャンプを打ち上げ17日からは沖縄キャンプに臨む。南国では100球以上の投げ込みを行い肩のスタミナなどをつけていくプランを描く。

 「最後の方に試合に投げられたらなと。すごい順調です」

 はずむ声が頼もしかった。

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