「広島３－５ＤｅＮＡ」（２９日、マツダスタジアム）

　壁の高さを身をもって実感した。５回５安打５失点（自責点４）でプロ初登板初先発初黒星。玉村は時折、唇をかみながら言葉を紡ぐ。「後半になると自分の力のなさが出た」。悔しさが残った１０１球だった。

　反省したのは３失点した四回だ。先頭・オースティンに浴びた左中間への一発は真ん中付近の直球。「甘かった」。２死から宮崎に四球を与え、ソトに右越え２ランを食らった。

　「宮崎さんへの四球は、今日一番やってはいけなかった。一番後悔が大きい。自分の甘さというか、悔しい結果になりました」。課題が見つかった投球だった。

　それでもキラリと光る投球はいくつもあった。石原が構えたミットに確実に投げ込める制球力は大きな武器。雨の影響で試合開始が約１時間遅れたものの、初回を無失点発進。動じなかった精神面もたくましい。

　黒星デビューにも「反省を生かし、次の試合がどういうものになるか楽しみ」と佐々岡監督。次回は中５日で５月５日・巨人戦での先発が有力だ。

　２０歳の左腕は「奥川君（ヤクルト）、宮城君（オリックス）が同い年で、もう先発として回っている。それに比べると全然まだまだ」と言って表情を引き締めた。高みを目指し、前へ進んでいく。