広島・九里次こそ!7回1失点好投 勝利結びつかずも…佐々岡監督は評価

 「中日3-2広島」(28日、マツダスタジアム)

 表情には最後まで闘志がみなぎっていた。九里が7回4安打1失点と好投。「先のイニングを考えずに目の前のイニングを抑えられるようにという意識で投げました」と振り返った87球は、勝利にはつながらなかった。それでも次回登板へ期待を抱かせるには十分の投球内容だった。

 初回、二回を三者凡退に打ち取ると、ここまで全登板で失点中だった鬼門の三回も無事に抑えた。ストライク先行でテンポのいい投球を披露。ツーシームを軸に変化球を丁寧に低めに集め、中日打線から凡打の山を築いた。佐々岡監督は「次に期待できる投球だったと思う」と評価した。

 背信の登板が続いていた。今季初登板の6月24日・巨人戦では7回1失点(自責0)で勝利したが、その後3試合はすべて被弾し、いずれも5回降板。崖っぷちに立たされていた。「打たれた試合の映像を見て、体が開いていたりを修正した。高めに投げないようにしました」と反省点を生かし、結果につなげた。

 先発としての役目は果たした。中継ぎが打たれて2勝目はお預けとなったが、この投球で首脳陣の信頼を取り戻したことは確かだ。「最少失点でいけるようにやっていきたい」とさらなる飛躍を誓った右腕が、苦境の先発陣を救う存在となる。

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