広島・遠藤、先発初勝利!強気、強気で9K 前回登板“逃げ腰”炎上の雪辱果たした

 「中日2-7広島」(12日、ナゴヤドーム)

 広島は中日に連勝し、カード勝ち越しを決めた。先発の遠藤淳志投手(21)は6回を5安打1失点、9三振の力投で、今季初白星&先発初勝利をマークした。チームは勝率5割にリーチをかけ、14日からマツダスタジアムで巨人、ヤクルトの上位との6連戦。いよいよ本拠地で始まる有観客試合。勢いに乗って地元ファンに白星を届ける。

 まぶしいフラッシュを一身に浴びると、凛とした表情がひときわ輝いた。勝利の立役者だけに許される、誰にも邪魔されない時間。ヒーローインタビューを終えると、遠藤は三塁ベンチ前で帽子を取って敵地の鯉党に一礼した。「前回は、ふがいないピッチングで終わってしまったので、しっかり勝とうという気持ちを持ってマウンドに上がりました」。

 毎回の9奪三振。口元を引き締め、頭の上でグラブを高く上げてから打者に挑む。先発初白星へと続く旅路は、こだわり続けたワインドアップから始まった。二回1死からプロ初スタメンのドラ1・石川昂に二塁打を浴び、球場の雰囲気は一変する。

 だが、肌で感じる向かい風を力に変えた。「前回はピンチの場面でズルズルいってしまった。同じ失敗を繰り返さないよう、強気に投げた」。続く阿部、梅津を連続三振に斬ってピンチを脱した。

 1点リードの三回は、無死満塁でビシエドと、序盤最大の難所。逃げ腰になりそうな場面でも「焦ってもダメと思った。マウンドで深呼吸しながら投げました」。犠飛で1点を失ったが後続を寸断。大きく息を吸い込み、傷口を最小限に食い止めたことが今季初白星につながった。

 前回5日の阪神戦は5回を6安打7四死球8失点、3被弾の大炎上。同じ過ちなら立場は危うくなる。つかんだ先発ローテの座は簡単に明け渡さない。徳俵に足が掛かっても、土俵は割らなかった。

 プロ3年目で、心強い先輩たちの存在に感謝する日々。ロッカールームでは「やりやすい環境で接してくれて、一日が充実している。一流の選手と会話ができているのが楽しい」と笑う。昨季は中継ぎを経験。だからこそ、リリーフの負担が身に染みた。「先発はいろんなところからの責任、自覚を持って戦わないと通用しない」。場数を踏み、頼れる先輩と言葉を交わしながら成長を遂げている。

 105球の力投に佐々岡監督は「良く踏ん張ったね。(前日の床田も)遠藤にしても、尻に火が付いていた面があったと思うけど、プレッシャーの中でよく頑張った」と評価を与えた。「やっと、チームの勝利に貢献できたという思いがあります」と“先発1勝目”の喜びをかみしめた遠藤。たくましく、力強く白星を重ねていく。

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