松山 CS任せろ!山口キラーの本領発揮 一矢報いたタイムリー「頑張るだけ」
「巨人5-1広島」(13日、東京ドーム)
チーム唯一の得点は“山口キラー”がたたき出した。広島・松山竜平外野手(33)が2点を追う四回、1死二塁の好機で適時打を放って一矢報いた。チームが山口に苦戦する中、今季通算14打数5安打1本塁打という好相性を発揮。ポストシーズンでも再戦の可能性が高く、山口攻略のキーマンとなりそうだ。
逆転日本一を目指すチームに、新たな天敵の出現だ。先発山口の変幻自在の投球術に惑わされた打線はわずか1得点。東京ドームの左半分を赤く染めたカープファンは静まり返り、今季ビジターでは山口に対して4戦3敗となった。
「今日は立ち上がりから飛ばしていた。ストレートもフォークも良かった。スライダーにカット気味のボールも多投していた。ストレートの強さは今年一番だったんじゃないかな。うちの打線が受け身に立ってしまった」
猛打が影を潜め、試合後の東出打撃コーチは完敗を認めた。今後ポストシーズンで再戦の可能性が高く、対策は急務となる。高ヘッドコーチが「CSで当たる可能性があるから対応を考えないといけない」と言えば、迎打撃コーチも「できることをどれだけ徹底できるかに尽きる。これだけ勝って防御率もいいピッチャーですから」と雪辱を誓った。
悔しい敗戦の中で、チーム唯一の得点をたたき出したのは4番のバットだった。2点を追う四回1死二塁、山口の決め球フォークを捉え、左前へ痛烈な適時打を放った。「しっかりと食らいついていきました」。昨季は10打数4安打1本塁打。今季も14打数5安打1本塁打、打率・357という“山口キラー”ぶりを見せつけた。
「明日も頑張るだけです。それだけです。(山口は)フォークがいいピッチャーです」
チームが敗れ、バスまでの通路では厳しい表情を崩さなかったが、バットは好調キープだ。今季は前半戦こそ不振に陥ったが、7、8月は打率・305、4本塁打、27打点と夏男の本領発揮。決戦を控える9月、10月も、大暴れの予感が漂う。
チームは早ければ、15日にもリーグ優勝が完全消滅する。ついに4連覇の夢が散ってしまう。それでも緒方監督は「1試合1試合、また明日。先のことは考えていない。シーズンも残り少ない。目の前の試合を全力で戦っていく」といつものフレーズで締めた。14日の巨人戦ラストゲームで意地を見せられるか。



