「広島２－１阪神」（３１日、マツダスタジアム）

　まさかの光景に表情を失った。１点リードの九回２死一、三塁。梅野の打球は無情にも左前に抜けていった。広島の守護神・中崎が痛恨の同点打を浴び、床田のハーラートップタイの６勝目は幻と消えた。

　「いつも助けてもらっているので、何も思わないですよ。仕方ないです。表情が無だった？梅野さんがすごい打球を打つなあと思っていました」

　快刀乱麻の投球を展開した。初回を三者凡退に抑えると、三回までパーフェクト。１点リードの五回は連打で２死一、二塁のピンチを招いたが、９番西を空振り三振に斬った。

　前日にプロ初勝利を飾った山口の快投を刺激に変えた。東京から帰りの新幹線の車中。速報で山口の投球内容を追い、「すごいピッチングをしていた。自分もそろそろ（長いイニングを投げないと）やばいと思っていた」と気合が入っていた。最速１５２キロを計測。「球速は求めていないんですけど思い切り投げたので」と笑った。

　緒方監督も「ここ２、３試合は状態が良くなかったので、考えることはあったけど、今日は問題なかった」と評価。佐々岡投手コーチも「今日は下半身が使えていた」と首脳陣の信頼も取り戻した。　「ここ何試合かは長いイニングを投げられていなかったし、イニングの途中降板もあった。先発の役割を果たせて良かったです」

　７回を５安打無四球無失点。初めて先発ローテを守る３年目。白星こそ逃したが、この経験は次回につながるはずだ。