大山、浜風ダ~ン 初回で決めた天敵打ちV3ラン 4番の仕事だ4打点

 「阪神5-2巨人」(30日、甲子園球場)

 ド緊張の高橋遥とともに上がったからだろうか。阪神・大山のお立ち台での堂々とした受け答えからは頼もしさが伝わってきた。令和に入って巨人戦4戦4勝との問い掛けに「まだまだです」。「もっともっと勝ちますか?」には「もちろんです!」と声を張り上げた。

 連夜のG倒。打のヒーローは間違いなくこの男だ。初回1死一、三塁。外角高めのスライダーをすくい上げるようなスイングで捉えると、打球は浜風に乗って左翼スタンドへ吸い込まれた。

 先制の9号3ラン。過去2戦2敗と阪神が苦手とするヤングマンを攻略した一撃は決して会心の当たりではなかった。だが、これこそが甲子園で求めていた一発だった。

 「去年のキャンプから浜中さんに“右バッターは浜風を利用しないといけないぞ”とずっと言われていたので。風とファンの声援に乗ってホームランになったが、これからの打席につながると思う」

 浜中打撃コーチからのアドバイスを体現する形での一本に充実感がにじむ。その師匠も「これからの季節は強い風が吹くからね。自信になったんじゃないかな」と目を細めた。

 五回には貴重な追加点となる適時打で、この日4打点。9試合連続安打と波に乗っている。セ・リーグで開幕からスタメンで4番を打ち続けているのは大山と巨人・岡本、中日・ビシエドの3人。「信じるというかね。やっぱり悠輔の成長がチームの勝ちには絶対必要。それにしっかり応えてくれてる。“4番といえば大山”って言ってもらえるような選手に近づいていってくれたら」と矢野監督はうなずく。

 さあ、首位・広島との決戦。「この前3タテされているので、やり返せるように頑張りたい」。真っ赤に染まる敵地でも、虎の4番が勝利を呼ぶ一打を放つ。

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