ドラ1・小園、故小枝監督に誓った恩返し!17年U18W杯で指揮…金言胸に
広島ドラフト1位の小園海斗内野手(18)=報徳学園=が28日、大野練習場で自主トレを行い、肝細胞がんで21日に死去した小枝守氏(享年67)への恩返しを誓った。17年のU-18W杯では名将の下でプレーし、前夜は都内で営まれた通夜に参列。キャンプには同氏の著書「球児に響く言葉力」を持参し、心に刻む。
4日後に控えるキャンプインを前に、小園が武者震いした。小枝氏の通夜から一夜明け、広島にとんぼ返り。すべての練習メニューを終えると、沈痛な面持ちで恩返しの思いを口にした。
「(通夜は)すごい人の数でした。改めて偉大な方だと思った。教わったことをこれからの野球人生に生かしていきたい。頑張っている姿を見せられるように、一日一日を大事にして頑張っていきたいと思います」
忘れられない言葉がある。17年のU-18W杯で、春夏通算10度の甲子園出場を誇る小枝監督は「野球は楽しんでやろう」と訓示。当時17歳だった小園の緊張は一気にほぐれ、世界を相手に実力を思う存分発揮できた。
「自分の持っているものが出せた。雰囲気作りがうまかった。ミスをして怒るのではなく、教えていただいた」
同大会では、スーパーラウンドで敗れていたカナダに3位決定戦でリベンジ。「監督の気持ちがあったからだと思う。監督のすごさだと思う」。世界一こそ逃したが、名将と共に戦った経験はかけがえのない財産だ。
最後に小枝氏と会ったのは昨年9月。再び侍ジャパンのユニホームに袖を通し、練習試合で訪れた明大グラウンドで「頑張れよ」と声をかけられた。病魔に冒されていたとは知らず、あまりにも突然の訃報となった。
会葬御礼として小枝氏の著書「球児に響く言葉力」を手渡され、キャンプに持参すると決めた。普段は「本は読まないです」と言うが、宿舎の自室で本を広げ、名将の言葉を脳裏に刻む。
キャンプが近づくにつれ、状態も上がっている。「体にキレが出てきた。いい練習ができている」。先輩選手の打球の速さ、スイングスピードには及ばないというが、フリー打撃では快音を連発した。
「(キャンプは)すごい方と一緒にできるのでうれしいです。ワクワクと楽しみです。(球場には)一番に行こうと思います」。黄金ルーキーに気負いはない。グラウンドで思い切り暴れ回る。




