丸が気迫の一撃 いきなりの劣勢ムードを一振りで変えた

 「広島9-8阪神」(1日、マツダスタジアム)

 静まり返っていたスタンドが、一瞬にして大歓声に包まれた。初回に4点を先制され、早くも劣勢ムード。その雰囲気を広島のチームリーダーの丸が一振りで変えた。

 「初回に4点取られたが、ベンチに戻り『つないで1点ずつ取りにいこう』ということをみんなで言い合っていました」

 一回、先頭の田中が左前打で出塁し、菊池が四球でつないだ。無死一、二塁のチャンス。2ボールからの3球目、岩貞の投じた外角高め138キロ直球を捉えた。振り抜いた打球は風に乗り、左翼スタンドに吸い込まれていった。

 「ストライクを取りに来たので思い切っていきました。つないでいこうと思っていたら、いきなり本塁打を打つことができた」。今季第1号は試合の流れを引き戻す3ラン。2点を追う六回1死一、三塁では左腕・高橋から左犠飛を放ち、1点差に詰め寄った。

 リーグ制覇を果たした昨季は9度のサヨナラ勝ちを含む45度の逆転勝ちを収め、12球団一の粘り強さを見せた。「去年の経験があって、どの展開でも一気に点を返すというよりは、つないで1点ずつだと思っている」という言葉を体現した。

 前夜のナイターから一夜明けたこの日、試合開始6時間半前となる朝7時半に一番乗りで球場入りし、試合に備えた。節目の10年目を迎えた今シーズン。チームリーダーとしての自覚はより一層高まっている。「新井さんももういい年なので、依存することなくやっていきたい」。チーム最年長の主砲に負けず、チームの軸となる覚悟を示した。

 サヨナラ勝ちで1勝1敗とし、流れは引き寄せた。「一振りでしっかりいけているので、明日もしっかりとつないでいきたい」。チーム一丸となり、開幕カード勝ち越しを狙う。

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