広島は１５日、ドラフト３位で指名した床田寛樹投手（２１）＝中部学院大＝と岐阜市内のホテルで入団交渉を行い、契約金６０００万円、年俸７００万円で仮契約を結んだ。床田は大阪・箕面学園時代に対戦がかなわなかった、同学年の阪神・藤浪をライバルに挙げ「負けたくないです」とプロでの投げ合いを熱望。即戦力左腕として新人王を目指す。

　仮契約を終え、床田は一段と気持ちを引き締めた。「最初が大事なので、しっかりやっていかないといけない」。目指すは「開幕１軍、新人王、２桁勝利。目標は高い方がいいので」。新人自主トレ、キャンプからアピールする構えだ。

　「藤浪（阪神）とは対戦してみたい。高校時代は、戦う前に負けていたので。別格でした。今度は同じ舞台に立つことができるので、投げ合ってみたい。負けたくないです」

　藤浪の名前を挙げるのには理由がある。床田は兵庫県出身で、高校は大阪・箕面学園で３年間を過ごした。府内には当時、大阪桐蔭のエースで同校を３年時に甲子園春夏連覇に導いた藤浪という同学年の大スターがいた。

　床田は２年春の府大会５回戦が最高。同じ高校生ではあっても雲の上の存在で対戦すらなかったが、プロの世界では自分の努力次第で同じマウンドに立つことができる。

　最速１４８キロの直球が武器の左腕。今春の岐阜リーグでは７勝を挙げ最多勝に輝き、４年間でリーグ通算２１勝をマークした。「テンポの良い投球や変化球のキレをアピールして、実力はもちろん運も持っている、試合に勝てる投手になりたいです」と力を込めた。

　向上心は高い。「右打者へのインコースのカットボールがすごい。握りから勉強したいです」。今季、沢村賞を獲得したジョンソンに教えを請う考えだ。

　現在は大学でランニングやキャッチボール、ウエートトレーニングなどを行い、体作りに励んでいる。入寮までの約２カ月間で体重を現在の７４キロから８０キロへ増やすのが目標。「同じ新人には負けられない。動けるようにしないといけない」と１月の新人合同自主トレ、２月の春季キャンプに照準を合わせた。

　今季２５年ぶりのリーグ制覇を果たした広島だが、ポストシーズンでの左腕は先発のジョンソンのみで、中継ぎは不在。即戦力として床田にかかる期待は大きい。「（多くの方が）期待してくれているので、裏切らないように頑張りたい」。チームの戦力となるべく、藤浪と投げ合う夢のマウンドを目指す。