薮田、人生初の甲子園は背水マウンド
広島のドラフト2位・薮田和樹投手(22)=亜大=が13日、人生初の聖地マウンドで、1軍生き残り切符をつかむと誓った。前半戦最後となる15日・阪神戦(甲子園)に先発予定の右腕は「チャンスをつかみ取る」とキッパリ。アマ時代に縁がなかった甲子園という大舞台で、前回KOからの失地回復を目指す。
これがあの甲子園か-そんな感慨は、みじんもなかった。1勝1敗で迎えるプロ3戦目のマウンド。薮田は登板予定の15日・阪神戦に向け「チャンスをつかみとりたい。ダメなら2軍に戻るだけ」と、背水の覚悟を口にした。
プロ初先発した1日・巨人戦(東京ドーム)は、5回2失点で初勝利を手にした。8日・DeNA戦(三次)は、四回途中4失点でプロ初黒星に沈んだ。
強力打線に直球で攻めた白星と、押し出しなど制球を乱して自滅した黒星。「前回は考えすぎた。コースを狙いすぎた。できないことを考えても仕方ない」。真価が問われる先発。持ち味の直球で攻めていく。
この日は甲子園で行われた全体練習で、キャッチボールなどで汗を流した。腕の振りを何度も確認し「横振りにならないよう気をつけたい」と、課題を口にした。
初めて踏み入れた聖地のグラウンドにも関心は薄い。「センターまでが狭くて、捕手の後ろが広いと思う。それよりも、前回は地方の球場でああいう投球になってしまった。どこの球場でも合わせていきたい」。結果を追い求めるプロの顔で、そう語った。
岡山理大付では3年間、甲子園に縁がなかった。中学3年の夏、野村(広島)がいた広陵と、唐川(ロッテ)がいた成田の一戦をスタンドで観戦。「それが最初で最後ですね」と振り返った。
チームは2年ぶりの前半戦負け越しが決まったが、首位・巨人とはまだ2・5ゲーム差。後半戦に向け、重要な阪神2連戦になる。畝投手コーチは「巨人戦のイメージを見せてくれれば。後半戦に向けた登板になる」と、1軍生き残りがかかると示唆した。
予想される虎党の大声援にも「惑わされることはないです」と薮田。プロ2勝目へ、聖地で輝いてみせる。
