梵、遊撃死守!二塁コンバート“拒否”

 広島の梵英心内野手(32)が4日、広島市内で行われたトークショーで、ショートの定位置を死守することを誓った。昨季後に右膝の手術を行った梵に対し、野村謙二郎監督(46)が昨年末に二塁へのコンバート構想を披露。この発言に背番号6は過敏に反応し、「今やっているポジションでやりたい」とファンの前で力強く言い切った。

 和やかな雰囲気で開催されていたトークショーだったが、二塁コンバートの話題になった瞬間、顔色が変わった。「新聞報道でコンバートの話を耳にしたんですけど」と苦笑いを浮かべた梵。そして多くのファンが見つめる中、「今やっているポジションでやりたい」と、ショート死守を宣言した。

 昨年はシーズン途中に古傷の右膝を痛めた。それでも欠場せずに試合に出続けたが、患部の状況は思わしくなく、シーズン後に手術を行った。さらに昨年、東出の故障離脱後に、菊池や安部ら若手が台頭。これらを考慮した野村監督は昨秋のキャンプ後、「梵は膝の影響で、守備範囲の問題もあるし、菊池の守備範囲の広さも生かしたいというのもある。まだ確定ではないが、そういうこと(二塁コンバート)も考えていかないといけない」という構想を描いた。

 確かに梵は昨年、右膝の影響で自己ワーストの22失策を記録した。現在もリハビリ中で、開幕に間に合う保証はない。それでも、今年でプロ8年目を迎えるベテランの意地がある。「僕も直接監督と話をしていないけど、自分のポジションであるショートでアピールしたい」。誰にもショートを渡さない思いを、声を大にして訴えた。

 もちろん安部、菊池の若手に負ける気は、さらさらない。「(安部と菊池は)人のケガのおかげで出てきただけでしょ。どうこう言えないけど、負ける気持ちはない。負けると思ったらすぐに(ショートの定位置を)渡す。でも渡すつもりはない」。1軍経験の浅い若手と対等に争うほど、落ちぶれていないことを主張した。

 年末年始は家族と山林のコテージで過ごしたという。「1日中、山を見ていたよ。『大きいな、山は。あんなふうになりたいな』とね」。この日のトークショー後には今季に向け、始動した梵。「今年は一番いい成績を残したい」。プライドを懸け、ショートの座を守り抜く戦いが始まる。

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