堂林レギュラー白紙!野村監督が猛ゲキ

 広島の野村謙二郎監督(46)が10日、堂林翔太内野手(21)に“猛ゲキ”を飛ばした。今季初の1軍で全144試合に出場し、甘いルックスで人気急上昇の堂林。指揮官も将来の主砲として我慢して起用したが、今季はリーグワーストの150三振、29失策。打撃と守備に成長がなければ、来季は容赦なく2軍に降格させる可能性を示した。

 期待は誰よりも大きいが、来季は特別扱いしない。初の1軍で144試合に出場し、14本塁打の堂林。今季の野村鯉の象徴的存在であるのは間違いないが、所用でマツダスタジアムに姿を現した指揮官は、にやりと笑った。

 「堂林が活躍した?活躍したのは僕でしょう。いろいろ周りから言われながら、150三振、29失策しても、144試合使い続けたのだから」

 もちろん「それは冗談として」と付け加えたが、我慢して起用し続けたのは他の誰でもない野村監督だった。堂林の失策、三振で負けた試合は少なくない。しかし、それは将来のカープへの“投資”だった。

 ただ来年は容赦しないという。「今年と同じ三振や失策数では困る。その場合は1軍にいるか分からないよ。決して厳しいとかではなく、当たり前のこと」。春季キャンプからシーズン中も“特別強化選手”と位置づけ、マンツーマンで指導したまな弟子でも、同じ失態を繰り返すことは許さない。

 望んでいるのは1年通して高いレベルでの活躍だ。「天谷や岩本は7月ぐらいに100の力を出したけど、あとが30の力では平均したら65。レギュラーならば1年を通して高いレベルで平均的に力を出して欲しい」。堂林も6月に本塁打を量産したが、波に乗りきれず、正念場の9月以降は打撃自体が急降下。来季は好不調の波を最小限にとどめないと、レギュラーの座も危うくなる。

 もう一つ、来季の課題に挙げたのがケガの防止だ。「普通の会社でも同じだと思うけど、休んで代わりの人が結果を出したら、代わりの人を使うでしょ」。今年は大きなケガをしなかった堂林だが、細心の注意を払うことを投げかけた。

 全試合出場の堂林だが、野村監督は「三塁を与えられると思ってはいけない。菊池や安部もいるから」とレギュラーとは認めていない。プリンスにとって来季は真価を問われる1年になる。

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