中日・和田が引退決断 今季2000安打達成

 中日・和田一浩外野手(43)が今季限りでの現役引退を11日までに決断した。来週中にも会見を開く。2007年オフに西武からフリーエージェント(FA)宣言して中日に移籍し、リーグ優勝した10年には最優秀選手賞(MVP)を獲得。今年は史上45人目の2000安打も達成した功労者が、ユニホームを脱ぐ。

 遅咲きのスラッガーが潔い決断をしていた。今年6月に42歳11カ月で2000安打を達成した和田が現役引退する。すでに球団側に伝えており、来週中にも会見する。

 ここまで70試合で打率・289、5本塁打、24打点。現在も1軍に在籍しているが、数日前に球団の来季構想に自分の名前がないことを知ると、ユニホームを脱ぐことを決めた。岐阜市出身で中日はあこがれの球団。FA宣言してまで西武から移籍しただけに、他球団での現役続行は考えなかったようだ。

 開幕前には「必要とされなくなったときが引退するとき」と話していたが、その通りの結論を選んでいた。

 2000安打まであと15本で迎えた19年目の今季は、昨年秋に受けた右膝手術とキャンプ中に左膝を痛めた影響で大幅に出遅れた。5月末に1軍に昇格し、6月11日のロッテ戦(QVC)で史上45人目となる2000安打を達成。しかし、両膝への不安から全力疾走ができない試合もあり、ふがいなさを感じていた。

 中日にとって和田は間違いなく功労者だ。8月16日の巨人戦(ナゴヤドーム)で史上3人目となる両リーグ1000安打を達成したが、中日では10、11年と2度のリーグ優勝に貢献。特に10年は打率・339、37本塁打、93打点でMVPを獲得した。

 今後は現場から離れて野球評論家として再出発する予定。『ベンちゃん』というニックネームで同僚やファンから愛された遅咲きのスラッガーは、後輩たちの活躍をネット裏から見守っていくことになる。

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