2023.09.15

競馬ギガ盛ブログ「調教師と監督」（９月１５日）

　どうも栗東・島田です。阪神が１８年ぶりにリーグ制覇しました。おめでとうございます。阪神百貨店さん、嫁が優勝セールを楽しみにしています。よろしくお願いします。

　思い出すのは４年前のことです。当時野球に配属され、巨人担当をしていた時、阪神との試合前に甲子園球場の喫煙所でサボっていたら、うちのデスクが現れました。急いでタバコの火を消し、試合前練習を見に行こうとすると、デスクから（おい、島田あいさつしろ）と言わんばかりの目配せが。その隣を見ると岡田監督がいらっしゃいました。当時デイリースポーツの評論家だった岡田さんに慌てて自己紹介し、名刺を切ると「おーん、そうか。よろしく」とのお言葉が。その時は「デスクに怒られず助かりました」ぐらいに思っていたんですが、まさか、その後に再び阪神の指揮を執り、優勝に導くとは…。とにかくおめでとうございます。

　前置きが長くなりましたが、今週の栗東トレセンの話に。札幌２歳Ｓ２着のパワーホールがトレセンに戻ってきました。昆師に次走を確認に行くと、「まだ決まっていない」とのこと。ちなみにパワーホール、４馬身差の快勝だった新馬戦は６番人気、札幌２歳Ｓも４番人気とあまり人気していませんでした。ただ、昆師に言わせると「デビュー前に最初見た時から新馬戦は当たり前に勝って（札幌）２歳Ｓに使うと決めていた」と相当な自信があったそう。さすが、相馬眼に定評のあるトレーナーです。

　ついでに走る若駒をどうやって見抜くか、気になったので聞いていみると野球に例えてくれました。「見るところは細かくある」とした上で、「簡単に言ってしまえば、プロ野球でもあんまり練習してなくても最初からすごいヤツっているでしょ。それと一緒の感じ」。誰とは言えないですが、確かにいました。いわゆる“素材型”というやつですかね。もっとも「最初は地味で目立たなくても練習して伸びるやつもいる」とし、「こっちはあまり気づかれない。成長した姿を想像できるかが大事になる」といいます。こちらは、より熟練の経験と馬を見抜くセンスが問われそうです。

　そして昆師は「野球の監督と選手、調教師と競走馬の関係は似ている」と続けます。監督（調教師）は、素質のある選手（馬）のモチベーションを維持させながら成長させ、適性を見抜いて適切なポジション（レース）に使う。元巨人ファンのトレーナーは、今季の阪神の戦いぶりについて「いきなり優勝だからね。やっぱり岡田監督はすごい。その道のプロなんだろう」と感心した様子でした。何か通ずるものを感じるのかもしれませんね。

　そんな昆師も「競馬ってストーリー通りにいかない。活躍した全きょうだいが活躍するかは分からないでしょ。それじゃつまらないし、それが面白いところでもある。俺も長いこと見てきて、人よりは馬のことが分かるかもしれない。でも日々、今も毎日勉強している」と語っていました。現在６５歳のトレーナー。その探究心は全く薄らぐことを知りません。