2025.05.27

【日本ダービー】北村友一　クロノジェネシスと同じ斉藤崇師＆サンデーＲ　「縁に感謝」チームで頂点へ

　「日本ダービー・Ｇ１」（６月１日、東京）

　２歳王者のプライドを懸けて、大一番へ臨む。１冠目の皐月賞で２着に敗れ、デビュー初黒星を喫したクロワデュノール。雪辱の舞台へ向けて、新馬戦から手綱を取る北村友一騎手（３８）＝栗東・フリー＝が胸中を激白。落馬による大ケガを乗り越えて巡り会った最高の相棒のこと、そしてそのケガで手綱を譲らざるを得なかったＧ１・４勝馬・クロノジェネシスと同じ『斉藤崇厩舎×サンデーＲ』のチームで向かう頂上決戦への思いを語った。

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　－１冠目の皐月賞は２着。どんなイメージでレースに臨んだのか。

　「中山のＣコースでの開催が初めてで、馬場状態がコロコロ変わっていたこともあり、レース前からプランを立てるということが難しかったですね。当週の馬場状態を見ながらレースプランを考えようと思っていました。前残りのレースが多く、内の馬場がかなり良かったので、後ろから外を回すという選択肢はありませんでした。好位でうまく流れに乗りながら、この馬の長くいい脚を生かせるようなイメージで乗りました」

　－レースを振り返ってみて。

　「向正面で動いてくる馬がいたので出入りが激しく、厳しいレースになったなと思います。そのなかで３コーナーから自分で押し上げて行き、４コーナーでは抜け出せるかなという感じで来てくれました。この馬の能力は見せてくれましたが、結果が２着だったので、もう少し他の選択ができたのかなと思いました」

　－ダービーへ向け、皐月賞後に感じたことは。

　「操縦性はすごく高い馬ですが、勝負どころでもう少し自分から反応してくれるようなところをつくることができたら、さらにいいのかなと」

　－この中間の調整で意識していることは。

　「間隔が詰まっているので、心身ともにそれほど緩んだ面がありませんでした。前向きな気持ちを殺してしまわないように、その気持ちを助長してあげながら最後まで体を使えるようにということですね」

　－１週前追いの感触は。

　「右手前での走りは力強いですが、左手前だと若干弱くなるところがあるので、左手前でもしっかり力強く伸びていけるようにということを意識して乗りました。いい形で終えられたんじゃないかなと思います。問題なく来られていることに何より一番ホッとしています」

　－東京２４００メートルは。

　「中山の二千よりも東京の広いコースの方がこの馬には合っているのかなと思います。距離が延びるというのも気にはならないかな」

　－自身３度目のダービー挑戦。今の心境は。

　「ケガをして、復帰してすぐのあの状況から、ダービーで注目される馬に乗ることができるということは本当に想像もできなかったことです。『努力は人を裏切らない』。ケガをした時も、そのことを自分自身に証明しようと思ってずっとやってきましたが、一歩一歩前に進めてはいるのかな。斉藤（崇）先生、馬主さんをはじめ、本当にたくさんの縁に感謝しています。そういうチームで挑めるダービー。もちろん結果を出したいという思いが一番強いです」

　－ダービーを前に、特に意識していることは。

　「いつもと変わらないようにということです。普段からきょうの自分のベストをずっと尽くしていると思っているので、特にそれ以上に追い込むことはないなと思っています」

　－クロワデュノールの凱旋門賞登録も発表された。

　「ダービーの先のことで分からない部分が多いので、今は意識していません。目の前のレースに全力で挑むことだけを考えています。能力は今まで乗ってきた馬の中で一番秘めていると思っています」

　－最後に意気込みを。

　「本当にチームとしてこの馬のベストを常に求めてつくってきていると思います。自分が最後にバトンを渡されるのでやるべきことをこなし、クロワデュノールのためにできることを、いつも通りしっかりできればいいなと思っています」

　◆北村友一（きたむら・ゆういち）　１９８６年１０月１３日生まれの３８歳。滋賀県出身。０６年３月に栗東・田島良保厩舎から騎手デビュー。０８年シェーンヴァルトのデイリー杯２歳Ｓで重賞初制覇。翌０９年に同馬でダービー初騎乗（６着）を果たす。１９年大阪杯のアルアインでＪＲＡ・Ｇ１初制覇。ＪＲＡ通算９４６勝（Ｇ１６勝を含む重賞３５勝＝２６日現在）。１２、１６、１８、２３年と４度のフェアプレー賞を受賞。