岡田の発破。右京の回答

 【1月28日】

 伊丹空港で前川右京と話をした。那覇行きの航空機を待つ束の間だったけれど、実におもしろかった。といっても、ゲラゲラ笑うそれじゃない。真顔で聞き入ってしまう話だ。

 右京が「岡田さんと掛布さんの…」と切り出した。こちらが誘導したわけじゃない。バッティング談議の流れで自然とタイムリーな話題になった。

 先の土曜だったか。大阪で開催された「掛布雅之&岡田彰布のトークショー」はメディア非公開だったが、その後の囲み取材で岡田節がさく裂した。 「ポジション的には、ショートとレフトになるんちゃうか。そこでポジションを獲るぐらいのな。それが前川とかな…」 

 ずばり「今年のキーマンは?」と聞かれた阪神のオーナー付顧問は右京の名を挙げた。もちろん、それだけで終わる弁ではない。

 「もう、はっきりしてるやん。コロコロ変わりすぎよ。スイングとかな。もっと『自分はこれや』いうのを、もう、つかまなあかんわな」

 右京はこれを報じた記事を読んだらしい。

 「岡田さんが『コロコロ変えるな。信じてやれ』と…」

 ん?ちょっと待った。キャンプ前にOB批判はあかんぞ…なんて邪推は不要だった。右京は言う。

 「その通りだと思います」

 ほう…。でも、去年そんなにコロコロ変えてたっけ?

 「変えるといいますか…良くしようと思って色んなものに手を出しちゃってたんです。で、最終地点が分からなくなった…みたいな感じです。でも、逆に言えば、信じきれるものがなかったというか。100数試合出た年は自分の中でこれっていうものがあるのはあったんですけど、ずっと出続けるにはこれではしんどいなと思って、変更して、いや、でも、あかんな、と…」

 岡田政権2年目の24年はキャリア最多の116試合に出場した。87本ヒットを打って、4本塁打、42打点。プロ3年目の躍進で待ちに待った高卒野手の台頭が見えてきたが、一転、4年目は本人にとって逡巡の年。それだけに68歳の前監督から「人にアドバイスをもらうより、自分で考えてやらんと。これから長いことレギュラーポジション張るんやったらな」と、メディアを通して発破を掛けられたかっこうだ。

 沖縄へ向かう右京に聞いた。

 まだ模索してる? 

 「いえ、だいぶスッキリしました。去年の秋くらいから…」

 じゃ、迷いなく沖縄へ?

 「はい」

 勝負の26年、基軸ができたようだ。

 「去年思ったんですよ。野球上手くなりたいって。めちゃめちゃ思ったんです。悔しいけど、野球上手くなりたい。練習するしかないって」

 藤川球児政権で迷路にはまった。でも、きっと右京は感謝している。悩み抜いた分、顔つきに精悍さが増した。「自分はこれや」-。そんな右京のスイングを晴朗の宜野座で見たい。=敬称略=

関連ニュース

編集者のオススメ記事

吉田風取材ノート最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(阪神タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス