エッホ♪で伝えたいこと

 【4月19日】

 エッホ、エッホ♪

 近ごろ、あっちこっちで見かける。

 例のフクロウのポーズで子どもたちがエッホ…。若者も、おとうちゃんもおかあちゃんも、エッホ、エッホ…。

 甲子園からの帰り道、エッホ♪の虎党を見かけた。

 あしたは勝つって伝えなきゃ♪

 いつも「バズり」にワンテンポ遅いオッサンもようやく追いついてきた。 エッホエッホの豆知識-である。

 この調子じゃ、流行語大賞もっていくか。「アレ」がおととし。その前は「村神様」。もうひとつ前が「リアル二刀流」。ん?昨年は何だっけ…。

 野球界が3連覇したわけだけど、やっぱり4年連続はむつかしい。

 いや、3年連続だってしんどい。

 中野拓夢である。

 彼が痛みをこらえてスタメンに名を連ねたこと、伝えなきゃ。昨年も、おととしも、全試合出場した選手会長が前夜自打球をふくらはぎに当てて途中交代した。チームのトレーナーが口をそろえる中野の屈強さはもう「豆」知識のレベルではない。だから、途中で退けば、そりゃみんな心配になる。

 この日で335試合連続出場。これから先も元気で3年、4年、5年…フル出場を続けてもらいたい。

 さて、連続出場の豆知識でいえば、その記録のトップ10に阪神の選手が3人いることはご存じだろうか。

 ①衣笠祥雄②鳥谷敬③金本知憲…歴代のこの順番は問題ないとして、もう一人、9位の藤村富美男の記録が途切れた理由が「暴動」によるものだったことはあまり知られていない。連続1014試合で迎えた一戦で判定を巡って藤村が球審に猛抗議。ファンがグラウンドになだれ込み、退場宣告されて大記録が止まってしまったのだ。

 さすがに今の時代ないことだけど、「続ける」ことの難しさは伝えるまでもない。村上頌樹だってそうだ。このカードアタマで開幕戦からの連続勝利が3で止まった。周りがドンと期待すれば体はこわばる。それでも結果を出すのがプロだけど、言うは易く…だ。だから思う。藤川球児が07年に成した「10連投10連勝」はバケモンだ、と。

 さて、エッホ、エッホ♪こんな日は首位の強さを伝えなきゃ。

 旧知のカープの面々からよく聞くのは、新井貴浩のおおらかさ、懐の深さが選手を大きく育て、チーム全体を陽の気で包むのだ、と。

 じゃ、阪神は?取材の限り、藤川球児のマネジメントは周囲の想像を一枚も二枚も超えると聞く。さすがに今は本人にそんなこと聞けないけれど、ヒントはないか…。そういえば、球児と様々野球観を共有する僚友、ダルビッシュ有がかつて後輩たちへ掛ける言葉として、こんなことを語っていた。

 「皆、プロ野球選手になった時点で凄い。でも、周りのネガティブな言葉で自分が凄いことを忘れる。自分がどれだけ凄いかを自覚させてあげたい」

 もうひとつエッホ♪球児の女房役、矢野燿大が監督時代に言っていた。

 「過去は変えれんけど、未来は変えられる」。伝えなきゃ…。=敬称略=

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