広島・羽月 25歳“バースデー適時打”!今季初スタメン初安打が殊勲の2点打 球場大合唱「応援の力って、すごいんだな」

 5回、二盗を決める羽月(撮影・田中太一)
 2回、中前に2点適時打を放つ羽月
 2回、床田(19)らを迎える新井監督(中央)
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 「阪神0-3広島」(19日、甲子園球場)

 広島が2連勝を飾った。価値ある働きを見せたのは、この日が25歳の誕生日だった羽月隆太郎内野手だ。今季初の先発出場で、二回に追加点となる2点適時打。今季初安打で首脳陣の起用に応え、自らのバースデーを祝福した。チームは開幕3戦目から金曜日、土曜日、日曜日の週末カードは9連勝。この勢いのまま白星を積み上げていく。

 全身から、喜びが込み上げた。羽月が跳びはねるように、両手でガッツポーズを繰り返す。25歳の幕開けはチームの勝利とともに、華々しく彩られた。価値ある“バースデー適時打”に「いい投手だと分かっていた。矢野さんもつないでくれたので、うれしかった」と勝利の余韻に浸った。

 二回、1点を先制して、なおも2死二、三塁。追い込まれながらデュプランティエの151キロを中前にはじき返し、2人の走者を迎え入れた。初回は空振り三振に倒れたが、次の打席で即修正。「(初回は投球)モーションにズラされた部分があった。小園から『(体重が)後ろに残り過ぎ』と言われたので、右足の前ぐらいで打とうかなという意識でいったら、打てました」。味方の助言が好結果につながった。

 その初回は打席に立つと、カープファンから「ハッピーバースデートゥーユー」が響いた。すると、誕生日と知った阪神ファンが次々に拍手。球場全体の大合唱に「やっぱり応援の力って、すごいんだなと改めて感じました」と4万2605人に感謝した。誕生日ということで、試合前の声出しは会沢に代わって担当。「代わって僕がやって勝てた。めっちゃうれしい」と満面の笑みだ。

 適時打は昨年5月18日・巨人戦以来。打席が少ない分、打撃の状態を保つことは決して容易ではない。「一番はタイミング。ベンチから見ていてもタイミングを合わせるように(試合に)出てなくても、それだけはやっている」と準備を怠らずに過ごしてきた。

 今季から背番号「00」に変更。そこにはレギュラー奪取への思いを込めた。「00はスーパーサブというイメージが強い。それを打破したいっていうのもあって、選んだのも理由なんです。00は“控え”という固定観念を消したくて」。代走の切り札として不動の地位を確立したが、満足はしていない。貪欲な思いを持ち続けてきたからこそ、いざ訪れたチャンスで輝きを放つことができた。

 新井監督も「いい仕事だったね。誕生日って知らなかったけど、自分の誕生日を自分で祝っちゃうんだから、やるじゃん、羽月!」と絶賛した。

 「次、チャンスがあればガムシャラに全力でボールに食らい付いていきます」と宣言した羽月。25歳の韋駄天(いだてん)は身を粉にして、ダイヤモンドを駆け回る。

 ◆羽月隆太郎(はつき・りゅうたろう)2000年4月19日生まれ、25歳。宮崎県出身。168センチ、73キロ。右投げ左打ち。内野手。神村学園高から18年度ドラフト7位で広島に入団。20年8月7日・阪神戦で1軍初出場、第2打席で初安打・初打点を記録した。21年5月8日の中日戦で初本塁打をマーク。俊足を生かした代走での出場が多いが、本職の内野に加えて外野も守れる。

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