春の「補強」はあるか

 【2月27日】

 奥川が浦添の阪神戦に先発する-本紙のヤクルト担当がそう書いていた。24日の紙面である。東京各紙すべて読んだけれど、掲載はウチともう1紙のみ。キャンプ中の貴重なニュースだった。

 ヤクルト奥川恭伸投手(20)が27日のオープン戦で先発することが23日、分かった-これが誤報でなかったことは読者もご存じの通り。この日の奥川は3回を2安打1死球1失点。生命線の制球がばらつき、本領にはほど遠い感じがした。高津臣吾は3・25京セラドームのマウンドにあがる開幕投手をまだ明言していない。高津さん今年は奥川?それとも?

 なんて僕は軽く書ける。でも、番記者はそうはいかない。昨年、高津はキャンプ打ち上げの日にライアン小川の開幕先発を発表し、翌朝のスポーツ紙はそれを横並びで報じた。今年はどうか。指揮官が明かさない限り、もし断定してニュースを書くならしっかりした「裏取り」がもちろん要る。

 阪神も昨年は各スポーツ紙が横並びで開幕投手を報じた。3月上旬に矢野燿大が「晋太郎にした」と、虎番の前で切り出したわけだけど、報道する側からすれば、驚きと同時に少しホッとしたり。全社へ向け発表してもらえると「裏取り」が不要になるので。

 阪神の○○投手が3月25日のヤクルト戦で開幕投手を務めることが○日、分かった-果たして今年はこれをいつ書けるか。昨シーズンは、開幕カードで3つ頂戴しながらペナントをもっていかれた敵陣を眺め、あれこれ考える。

 阪神が22年のセ・リーグを制覇することが、○日分かった-裏を取れるなら一番書きたいものである。が、こればっかりは…。

 いや「予祝」がある。先週、阪神が宿舎でそのメンタル講習会をやったそうだけど、記者もイメージを膨らませて書けば現実になるかも…。ん?待てよ。もし他の5球団がみんな「予祝」すれば、野球の神様はどこに微笑むのか。ヤクルトさん、真似してないだろうな?って、それこそネガティブシンキングだと叱られるやつか。

 予期できないネガティブな類でいえば、ケガもそうだ。J・ガンケルが腰の張りをうったえた為、藤浪晋太郎が先発した浦添のヤクルト戦である。左足を痛めたR・アルカンタラを含め、助っ人勢の体調が気掛かりなキャンプになった。ロハスJr.には頑張ってもらいたいけれど、ここにきて注視するべきは今後の補強について。取材の限り、球団は全ての可能性を否定せず、模索している。

 昨年12月以来ロックアウト中のMLBはまだ先が読めない。キャンプ、開幕戦すら見通しの立たない米国、そして、そろそろ新規外国人の入国手続きに見通しが立ちそうな日本。さてこの状況下、阪神はどう動くか。

 2月が終わっても、その筋の取材は気が抜けない。現在、球団の渉外担当が入国問題に全力投球していると聞く。ヤクルト担当に負けじと、当欄もニュースを追ってキャンプ取材を打ち上げる。=敬称略=

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